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【J2日記】愛媛:動き出した「愛媛FCストライカーファンド」は、地方クラブが抱える問題の特効薬と成り得るか(14.07.15)

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(C)近藤義博

加入会見に臨む愛媛・亀井文雄社長(左)、リカルド ロボ選手

7月14日に愛媛の新戦力、リカルド・ロボの加入記者会見が行われました。ロボは栃木や柏などにも在籍したことがあり、Jリーグでの実績があるストライカー。もちろん即戦力としてゴールの量産が期待されるわけですが、一方で今回は彼の獲得に至った「愛媛FCストライカーファンド」という仕組みにも注目が集まりました。

これは1口2万円から出資ができ、愛媛県内外の誰でもクラブの強化に関われるというものですが、選手の人件費を資金使途としたファンドの活用は日本初の試みとなりました。会見で愛媛FCの佐伯真道副社長が「出資者にはプラスをしてお返ししたい」と話したように、募金や寄付とは違ってこのファンドを通じた事業が成功すれば、出資者は配当を受け取ることもできます。当然、元本保証がないなどリスクもありますが、クラブの売上によってはリターンもあるということです。

今回は初の試みということで、こうした仕組みへの理解が進むにはある程度の期間も必要となりました。実際に2月28日の募集当初は申し込みが伸び悩みましたが、説明会の開催やツイッターなどを通じて次第に認知が広がると、6月に入ってファンド成立の1000万円に到達。6月28日に募集が締め切られ、最終的に募集した2300万円満額には届かなかったものの「この手のファンドとしては成功といえる」(佐伯副社長)という、およそ1800万円の申し込みがありました。
その結果として、ファンドの一部を利用してロボが加入。愛媛FC・亀井文雄社長も「チームの状態が上向く中、彼にも活躍してもらってJ1昇格プレーオフ圏内を目指したい」と大きな期待を寄せましたが、リーグ戦2連勝中で天皇杯では2回戦を突破したばかりのチームに強力な助っ人がやってくることになりました。

そして会見後のトレーニングマッチには、さっそくロボが出場。3トップの頂点に入ると、2本目には近藤貫太が仕掛けて得たPKのキッカーに。これは失敗に終わりましたが、直後には近藤のゴールをアシスト。ブラジルで最後の公式戦に出場してから2カ月ぶりの実戦形式となりましたが、本人も「内容的には普通にやれているし、リズムもつかめてきたかな。前線のオプションを増やし、決定力を高めたい」と再びJリーグで暴れる手応えをつかんだ様子。サポーターにとっては、リーグ後半戦の楽しみが1つ増えました。

こうして、実際に動きはじめた「愛媛FCストライカーファンド」。ファンドの目的、そして理想からすればロボがゴールを量産してクラブがJ1昇格プレーオフに進出、チケットやグッズの売り上げが伸びて出資者に還元…となれば大成功といえるでしょう。ただ、今回のファンドは「県外に在住の地元出身者や関係者をどう巻き込んでいくか」(3月8日「愛媛FCストライカーファンド」募集開始のお知らせ)という課題に対するアプローチでもあります。そういう意味で今回のファンド成立は、これまで愛媛FCに興味がなかった層に対してクラブへの新しい関わり方を提起したという点において、既に1つの成果を得たともいえます。

「新規のファン獲得も視野に入れながら、厳しい経済環境の中で成立することができた」(佐伯副社長)というこのファンドが、クラブにどんなプラスの影響をもたらすのか。愛媛はJ参入9年目、成績面でも興行面でも伸び悩み、地方ならではの厳しい経済状況もあり、この状況をどう打破していくのかという難しい問題も抱えています。その中で出てきた「愛媛FCストライカーファンド」。もちろんチームの成績アップは気になるところですが、クラブが得た新しい「サポーター」をどうやって繋ぎ止めていくのか、あるいはぞれをより大きな輪にしていけるのか、今後はその点にも注目したいところです。

以上

リカルド ロボ選手 加入合意のお知らせ
「愛媛FC ストライカーファンド」募集開始のお知らせ

2014.07.15 Reported by 近藤義博
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