第21節からのメンバー変更を3人に止めて臨んだ讃岐と、負傷者が頻発していることもあり実に7人の先発メンバーを入れ替えた松本。やはり連携面で分があるのは前者で、前半はその差が顕著に表れた。ボールを保持する時間が長かったのは讃岐。1トップの木島良輔を中心に短いパスを繋ぎながら前方へと圧力をかけ、何度かゴールを脅かす場面も作った。
ただ、椎名伸志は戦前に「(第4節では)結果的に大差で勝ったが、ボールを持たれる時間もあった」と語っていたように、その点は松本も警戒済み。浮き足立つことなくボールを奪い、カウンターで一気にゴール前へと運ぶ。メンバーが替わっても、チームのスタイルは不変。圧される時間の長い煮え切らない前半だったが、何とか無失点で抑えたことが結果的に奏功した。
0−0のまま折り返した試合は、徐々に前線の呼吸が整ってきた松本がたびたび讃岐ディフェンスの裏を取り始めるようになった。ビッグチャンスは61分、前線のコンビネーションから途中投入の山本大貴が飛び出してシュートを打つが、これは瀬口拓弥が好反応でゴールを死守。この日松本のゴールを守った白井裕人と流通経済大時代に同期として切磋琢磨してきたGKが、松本に得点を許さない。
快晴のアルウィンで15時キックオフ。心配なのは体力面だ。照りつける日差しの下でのサッカーは、やはり心身ともに疲弊させる。そうなると分が悪くなるのは松本で、何とか90分で試合を決めたいところ。執拗に讃岐ディフェンスの裏を突くが、タイミングが微妙に合わず決定機まで持ち込めない。同様に讃岐も、高橋泰、高木和正とベンチの切り札を投入して勝負を賭けるが、やはりゴールが遠い。
延長戦突入の気配が漂い始めた86分、左サイドで長い距離を走った田中隼磨が、「ニアでヤマ(山本大貴)がうまく潰れてくれた」と上手く状況を見極めてファーサイドへクロスを上げると、椎名が角度のない位置から頭でゴールネットを揺らす。待ちに待ったゴールで、ようやくアルウィンが沸きあがった。
敗れた讃岐だったが、試合を掌握する時間も長く、後半戦への光明を見出した一戦だったと言える。注目はやはり、2季ぶりのアルウィン凱旋で場内から拍手が送られた木島。持ち味の鋭いドリブルは健在だったが、何よりその高いボールキープ力が光っていた。松本はなかなかボールを奪えず、たまらず体を入れてファウルになる場面が多く、ペナルティエリア付近でFKのチャンスを得る場面も多くあったが、プレー精度に欠けてその好機を生かしきれなかったのは痛かった。
一方の松本は特に前半はどうにも煮え切らない展開となったが、田中隼磨が左サイドを守ったり、大久保裕樹のロングスローに場内が沸いたりとリーグ戦ではなかなか見られない光景が見受けられたのも天皇杯らしかった。この先に生きる幾つかのオプションを発見した、とポジティブにとらえることもできるだろう。
以上
2014.07.13 Reported by 多岐太宿
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