昨年のことが自然と思い出される。前回の天皇杯2回戦、時期こそ違えど、湘南と琉球はBMWスタジアムで相まみえた。勝負は試合開始間もなく先制した湘南がその後もゴールを重ね、4−0の勝利とともに3回戦に駒を進めた。
時は経ち、シーズンは更新された。あれからおよそ10カ月を経て、メンバーやステージなど変化はそれぞれにあろう。とりわけ湘南にあっては自分たちの戦いが着実に深まり、それが内容と結果に表れている。すなわち、深化だ。
21試合で20勝1敗、勝点60というJ史に残る成績が示すとおり、今季に臨むにあたって掲げた「継続と深化」というテーマはピッチにしかと反映されている。曹貴裁監督も、「毎日練習に来る選手たちの表情や意気込みをいままで以上に強く感じてきた。勝点60は彼らの実力。これで終わりではありませんが、彼らの頑張りが結果として出てきたことはうれしく思う」と語っている。
内容についても然りだ。開幕当初より1点が遠いゲームや、前半戦の締め括りとなった第21節群馬戦のように20本以上シュートを放ちながら追加点を奪えないなど、見た目には僅差の結果も最近は増えた。そこだけを切り取れば、好機の数に比して決め切れていないと、あるいはそういう見方もできるかもしれない。だが、「開幕の頃の1点と、いまの1点は重みが違う」指揮官の言葉に継続と深化をあらためて思う。相手が対策を講じてくるなかで、それでもゴールを奪い、ゴールを与えずに勝つ。増えたのはすなわち1点しか取れない試合ではなく、難しいなかでも1−0で勝ち切ることのできるワンランク上の戦いだった。
たとえば島村毅はこんなふうに語っている。
「一昨年のJ2での戦いでは、点は取れても終盤に失点してしまう試合もありましたが、今季は失点が少ないなかで得点を多く取れている。でも守備の堅いチームが相手でもこじ開けることができるように、シュート精度やコンビネーションなど詰めていかなければいけない部分はまだまだあります」
言うまでもなく1−0のゲームを志向しているのではない湘南にあって、質を高める取り組みは淀みなく続けられている。今週もゴールの可能性をより広げるための、チャンスをより多くつくるためのトレーニングが粛々と行なわれた。
その湘南が昨年に続き迎える琉球は、今季J3を戦い、ここまで5勝3分9敗で9位に位置している。開幕2連勝と好スタートも、以降6試合勝利から遠ざかり、5月から6月にかけては4連敗を喫した。無得点13失点と内容的にも厳しい4試合だったが、直近の秋田戦ではひとり少ない劣勢に立ちながらも中山悟志が終盤ゴールを奪い、2−0で連敗を止めた。
湘南との前回の対戦では鋭いプレッシャーに対して思うように運べず、ミスから失点した。10カ月越しの今回は、チームの成長を示すうえで恰好の相手と言えるかもしれない。湘南にとっても然り、戦いの先にはJ1への挑戦やACLも控えている。この先に続くリーグ戦にも繋げたい大切な一戦となる。
以上
2014.07.12 Reported by 隈元大吾
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