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【第94回天皇杯 2回戦 熊本 vs 山形】プレビュー:リーグ後半に弾みをつけるうえでも結果が欲しい両チーム。引き分けのない21.5節を制すのは、熊本か、山形か。(14.07.13)

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3連敗でシーズンを折り返すことになった熊本。5勝9分7敗の勝点24で17位という前期の成績は、目標を実現するには少し難しい状況だ。だがそうしたなかでも、21試合で様々な経験を積み上げてきたのも事実。山形を迎える天皇杯2回戦は、首位・湘南との一戦から始まるリーグ戦後半に向けて弾みをつける意味でも結果が欲しい。
「リーグ戦とは違う大会なので、気持ちを一新して臨みたい。延長戦でもPKでも、どんな形でもいいから、なんとか白星をつけたい」と、“天皇杯男”の養父雄仁は言う。
徳島とPK戦までもつれた昨年、また岐阜との延長戦を制した一昨年も、この2回戦を勝ち抜くことでチームは自信を得て、その後のリーグ戦につなげた。気持ちの面ではひと区切りをつけながらも、位置づけとしては第21.5節と捉え、いつも通りに戦うことが求められる。
11もの失点を重ねた直近3試合の内容を振り返れば、リーグ戦後半を見据えてこの試合で表現すべきことは自ずと浮かび上がってくる。それは、「アグレッシブに行くことで、彼らの力が最大限に出る」と小野剛監督も話す、積極的な守備だ。1週間前の岐阜戦、スコアこそ3点差に開いたが、「(愛媛戦を受けてテーマとした)ボールに対して勇敢に行くことに立ち戻ってくれた」と小野監督は選手達を評価。ただ、この試合で初めて採用した4−3−3の形に少々不慣れだったこともあって、今週のトレーニングではこの形で相手の組み立てに対するプレッシャーのかけ方を細かく繰り返していた。特にサイドで起点を作らせないための動きとそれに合わせたスライド、さらに逆サイドでの準備などに焦点が置かれていたが、ポイントとなるのはいかに数的優位を作ってボールを奪い、攻撃につなげるかということ。的確なタイミングを逃さず、しっかりボールを奪いきる、その意思を共有し、チームとして複数が連動することが必要になる。

対する山形はシーズン序盤こそ出遅れた感があったが、「シーズン当初にあったイージーなミスからの失点が減ってきた」と21節終了後に石崎信弘監督も話している通り、試合を重ねるごとに戦いぶりが安定。連勝は1度もないが連敗もなく、徐々に順位を上げて中間地点でついに1桁順位に浮上、8位となっている。21節は開始5分に宮阪政樹のFKのこぼれを中島裕希が押し込んで先制、直後の7分に追いつかれたが、宮阪がミドルシュートを突き刺して勝ち越し、東京Vを下した。20節も磐田に1点差で敗れているが内容的にはかなり押し込んでチャンスを作っており、熊本が勝った8節の対戦時からはさらに進化していると見るべきだろう。ここまで7得点のディエゴをはじめ、中島や伊東俊、プレシーズンに行ったトレーニングマッチでも2得点を許している萬代宏樹ら、特に前線は力や高さ、スピード、技術を持った選手が多い。
こうしたアタッカー陣の力を削ぐためにも、熊本として最も警戒が必要なのはやはり、正確な判断と技術に優れる宮阪だ。前述の連動したプレッシングで山形に攻撃のリズムを作らせず、自分たちのペースに引き込むには、ビルドアップの段階で経由地点となっている宮阪へのボールを断ち、受けて前を向かれても自由にさせないことが不可欠。また、山形は全得点の約半分をリスタートから取っているため、不用意なファウルから自陣ゴール近くでFKを与えないよう、早い出足でボールへアプローチをかけなくてはならない。前のコンビネーションで相手のスペースを衝くうえでは、岐阜戦で出場停止だった中山雄登、さらには負傷から復帰した仲間隼斗らの仕掛けも有効になるが、攻撃に転じた時に安易なミスでボールを失わないことも重要だ。

熊本の小野監督は、山形の石崎監督以下、スタッフ陣とも昨年まで中国の杭州緑城でともに仕事をした経緯もあり、「ワールドカップでのドイツとアメリカみたいに、ある意味では兄弟チームみたいなものですからね」と笑っていたが、試合後に笑うのは果たしてどちらか。

以上

2014.07.12 Reported by 井芹貴志
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