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【第94回天皇杯 2回戦 大宮 vs 八戸】プレビュー:巻き返しの第一歩を踏み出す大宮。迎えるは青森の雄・八戸(14.07.12)

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大宮にとって天皇杯の緒戦は、青森県代表でJFLに所属するヴァンラーレ八戸を、ホームNACK5スタジアム大宮に迎えて戦う。J1の大宮は中断期間に入って以来約40日ぶりの公式戦。J1リーグ戦では17位と降格圏に沈む大宮としては、後半戦での巻き返しに向けて、結果はもちろん内容が求められる試合となる。

大宮・大熊清監督が再開後のテーマに掲げるのは、「90分間、人が走りきり、ボールも走らせるサッカー」。そのため約1週間の嬬恋キャンプでフィジカルを徹底的に鍛え、大宮に戻ってからも戦術を織り込みながら連日負荷の高いメニューを課してきた。その運動量をベースに、守備では前線から連動してプレッシャーをかけ、攻撃は縦に速く、まずは相手の背後をねらう。「その全体の意識は少しずつ合ってきている」(渡邉大剛)と、選手たちもある程度の手応えを感じている。下位カテゴリーのチームを相手に、「相手どうこうより、自分たちのやるべきことをしっかりやること」(渡邉)ができるか。大宮にとってはリーグ戦での浮沈を占う一戦であり、ベストメンバーでここまでの準備の成果を発揮しなければならない。

対する八戸は、今シーズンからJFLに参入し、2015年以降のJ3参入を目標とするチームだ。JFLではここまで3勝3分7敗の9位。開幕から4連敗、10戦目でようやく初勝利するなど、JFLのレベルに慣れるまで苦戦を強いられた。ただし第10節以降は3勝1分で尻上がりに調子を上げ、その後、天皇杯予選を兼ねたNHK杯を3連勝で優勝。さらに天皇杯1回戦のモンテディオ山形ユース戦も勝利し、公式戦7勝1分と勢いを持って大宮に乗り込んでくる。天皇杯出場は3年連続4回目で、昨年は2回戦で当時J1首位の横浜FMと対戦し、先制点を上げたものの直後に追いつかれ、終わってみれば1−5の大敗。その悔しさを知る選手を中心に、今回の大宮もJ1とはいえ17位となれば、下克上をねらって本気で食らいついてくるだろう。
八戸の序盤の不調の要因の一つには、JFL参入を機に大量の新選手が加入し、最適なメンバー構成とシステムを見出すのに時間がかかったことも挙げられる。現在のシステムは4−3−3で、守備時は4−1−4−1の形になる。中盤の3枚はキャプテンの10番・新井山祥智が攻撃的で、関口雄与がアンカー。もう1枚には双子の兄弟である菅井拓也と菅井慎也が入ることが多く、状況に応じて菅井が引いて4−2−3−1の形になるなどしてバランスを取るのは、昨年の横浜FM戦と同様だ。その横浜FMの樋口靖洋監督は「組織的に規律を持って守れるチーム」と八戸を評したが、それは今年のチームも変わっていないようで、JFLでの総失点は18と多くはなく、最大でも3失点が1試合だけと、大崩れはしない印象だ。
八戸にとって大きいのは、3トップの最適解が見つかったことだ。1トップにスピードがあり裏抜けの上手い金子顕太、シャドーに長身で起点になれる玉田道歩と、ドリブラーの西村啓を配する形で、この3トップになってからは無敗である。ただし、リーグ戦13試合で総得点11、しかも金子がハットトリックの活躍を見せたMIOびわこ滋賀戦で5得点の固め取りをしているので、得点力はそう高くはない。引いて守ると1トップが孤立しがちで、逆に相手に引かれるとなかなか崩してシュートまで持ち込めない。天皇杯1回戦でも、山形ユースに対してポゼッションでは圧倒しながら、シュート数は試合を通じて8本と攻めあぐねた。
八戸の得点パターンとして最大のものは新井山がキッカーを務めるセットプレーで、直接FKもしくはCKの流れからが総得点の半分以上を占める。そしてもう1つが、最終ラインの裏に飛び出した金子に浮き球で合わせる形。大宮としては不用意にファウルをしないことはもちろん、金子の飛び出しに対して集中を切らさないことが重要だ。

両者の力関係から見て、大宮が優位に立つのは間違いない。ただ、「相手は失うものないし、負けてもともとという気持ちで来る。こっちは絶対に勝たなきゃいけないプレッシャーがある」(中村北斗)ため、こういう場合の上位カテゴリーのチームは慎重になりがちで、思いきって仕掛けづらい。八戸としては、せっかく調子の上がってきているチームの基本は変えないはずだが、下克上をねらうなら、前線から激しくプレッシャーをかけて慌てさせるか、引いて守りを固めて一発のカウンターに懸けるか。どちらにせよ徹底してそれをやりきれば、公式戦からしばらく遠ざかっていたJ1チームの歯車を狂わせることは不可能ではない。逆に大宮は、それをものともせず、J1にふさわしいクオリティを見せられるか。暑い夏、サッカーのある週末が、いよいよ始まる。

以上

2014.07.11 Reported by 芥川和久
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