ヤマザキナビスコカップ予選リーグ最終節から1カ月以上が過ぎた。その間、日本の裏側で開催中の2014FIFAワールドカップの熱狂と世界基準のプレーに酔いしれ、サッカーファンも誰もがその魅力を堪能していることだろう。しかし一方で、J1クラブのサポーターにとっては、もの足りない週末を過ごした人も多かったはずだ。いよいよ、日常の週末が戻ってくる。
試合が待ち遠しかったことは、サポーターのみならず選手も同じだ。今週初めのトレーニング後には、大谷秀和は「早く試合がしたい」と、天皇杯を待ち切れないといった様子だった。
それは裏を返せば、この中断期間の1カ月、韓国でのキャンプを含め、良いトレーニングができた自信と今後への手応えがあるからだと思っている。田中順也のスポルティング・リスボンへの電撃移籍があり、戦力的な部分で多少の懸念は感じさせるが、韓国で行われた2つの練習試合では狩野健太が田中の穴を補って余りある活躍を見せ、さらに若い木村裕も田中の後釜としてポジションを奪い取ろうと、以前にはなかった積極的な姿勢を見せている。
天皇杯の初戦には独特の難しさがあるが、「カテゴリーが違うと、やりづらさはある」(鈴木大輔)、「自分もJ2の時に、J1のチームとの対戦では絶対に勝ってやるというモチベーションで入った」(高山薫)と、それは選手たちも十分に理解している。
今回対戦する岡山ネクストは、現在JFL10位で2勝5分6敗と、必ずしも好成績を収めているとは言えない。しかし、選手たちの言葉にもあるように、「上のカテゴリーのチームに勝つ」というモチベーションは、それまでの調子や成績など全く無関係にしてしまうだけの効力を持つ。しかも岡山ネクストはJFLとはいえ、J2の岡山のセカンドチームだ。「Jリーグのエンブレムを持ったチームが来るわけで、そんなに下に見る相手じゃない。相手をリスペクトして臨む」と工藤壮人が話すとおり、警戒を怠れば簡単に足元をすくわれてしまう。岡山ネクストはアバウトなクリア気味のボールでも貪欲に追い掛け、エネルギッシュに前線からプレスを仕掛けてくる。そこで柏のミスを誘い、一発を狙ってくるため、柏が攻め続ける展開になるだろうが、後方で構える守備陣は一瞬たりとも集中力を欠いてはならない。
こういう試合だからこそ、大事なのは普段と同じ戦い方ができるかにある。柏は基本的にどの大会でいかなる相手と対戦しようと、「目の前の試合を全力で戦う」という意識が強く、常にフルメンバーで戦う。大谷も、この天皇杯のポイントには「ユースとやろうがJ1のトップのチームとやろうが、そこは関係なく最善の準備をすることが大事」と話す。まずは、その準備段階で通常通りに試合を迎えられるか。そして試合では、訪れた決定機では確実に決め切れるか。ポイントはいたってシンプルだ。仮に点の入らない展開に陥ったとしても焦れることなく、90分、ないしは延長戦を含めた120分間で決着を付けるという気持ちで戦えるかが鍵だと見ている。
来週にはJ1も再開する。中断期に詰めてきた成果を発揮し、良い内容で勝利を手にしたい。もちろん天皇杯はトーナメントだ、次のラウンドに進むためには勝利がすべてだが、再開を迎えるJリーグを見据えるからこそ、結果と内容の伴ったゲームを期待している。
以上
2014.07.11 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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