華やかに開催されるFIFAワールドカップブラジル大会へ世間の目が向けられている裏側で、徳島はJ1生き残りのためのレベルアップに必死の姿勢で取り組んだ。シーズンが中断に入ると9日間のリフレッシュを挟んだ後、チームは沖縄キャンプを含めもう一度自らを鍛え直すトレーニングに集中。初夏の暑さが厳しい気候の中でも妥協なく体を追い込み、改めての個人能力上昇と、それに伴う組織の前進を追い求めた。
そしていよいよ今週、徳島はその成果が問われるゲームを迎える。公式戦再開の一発目、JFLに所属する鹿児島ユナイテッドFCとの天皇杯2回戦。翌週に再開されるリーグ戦を見据えたなら、自分たちが中断期間中にプラスしたものを巻き返しへの変化として必ず表現しなければならない戦いだ。
ではピッチで何が見えれば徳島の前進の裏付けになるかと言うと、それはやはり予測をもった連動であろう。
僅か1勝しか出来なかったシーズン前半戦、徳島には明らかにそれが欠けていたと言わざるを得ない。事実、そのため攻撃はほとんどがパスの出し手と受け手の関係だけに終わっていたし、チームの生命線であったはずの守備でもその動きが大きく不足。3人目の絡む崩しを作られた時には多くの場面で置いていかれ、選手たちからも幾度となく「ボールウォッチャーになってしまった」という後悔の言葉が聞かれた。
それだけにこの鍛え直しの期間には、そうした部分の改善へ繋がる動きの量のアップ、同時に頭の回転スピード向上が全員に強く求められたと言えよう。個としても、チームとしても、考えながら動き続けることを常に意識し、次の場面のイメージ共有も図りながらそれの徹底を突き詰めていったのである。
そうした結果、全体の予測をもった連動はかなり高められたと言っていい。小林伸二監督も「自覚を持って意識高く取り組んだことでチームは変わってきた。大事になる守備は特に組織としてボールを奪うことが出来始めたと思う」と手応えを口にしていたが、この中断期間中に徳島は必要とされた部分を間違いなく底上げしてきた。
対する鹿児島ユナイテッドFCは現在JFLで2位(勝点は首位と同じ)と好調。さらに彼らが下克上を狙う意欲を燃やして激しい戦いを仕掛けてくると考えると、カテゴリーの違いはあっても決して楽な展開などにはならないだろう。しかし、自分たちの積み上げをハッキリ見せる内容と次に駒を進める結果をここでしっかり出せないようでは、巻き返しによるJ1残留の可能性も高まってこない。徳島は是が非でもこの一戦でそれらを示して、翌週再び幕を開けるリーグ戦にいい流れで向かわなくては。
中断期間のおかげで千代反田充やクレイトン ドミンゲスら主軸となるべき顔ぶれもケガから復帰し、最終ラインには村松大輔という頼れる新戦力も加わった。公式戦再開を待ちに待ってスタジアムに詰めかけるサポーターの前で、果たして徳島はどのように変わった姿を披露するのであろうか。今から開始のホイッスルが待ち遠しい。
以上
2014.07.10 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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