前半戦終了時点で3位と、自動昇格も狙える好位置につける松本。好調だからこそ、そのチームに貢献できないことが悔しい――。塩沢勝吾は現在、復活を目指してリハビリに汗を流している。
第15節・磐田戦。バックステップを踏んで前に行こうとした瞬間、左足に蹴られたような衝撃が走った。後ろを振り返っても、そこには誰もいない。「あ、やっちゃったな」。左足に感じた衝撃の意味は、これまでに聞いていて知っている。
左アキレス腱断裂で全治5カ月、5月26日に手術。「手術は成功し、現在の経過は良好。だが筋力を戻すのには時間がかかるし、無理をすると再発のリスクは上がる」と百瀬能成チームドクターが話すように、復帰は早くても11月初めとなる。夏から秋にかけての長いリハビリを余儀なくされる。再発のリスクは常に付きまとい、戦えるだけのコンディション回復も容易ではない。道程は決して楽ではなく、自身も負傷直後は「ケガの痛みよりも心の痛みの方が大きかった」と振り返る。しかし今は、「焦ることなく今まで足りなかった部分をより強くして、リーグ終盤の一番大事な頃に必要とされるようにしたい」と再びピッチを駆ける自身の姿を思い浮かべることが、リハビリを乗り越えるモチベーションとなっている。
サポーターとチームメイトの存在も、ピッチへの帰還に向かわせる原動力だ。サポーターは激励のために千羽鶴ならぬ万羽鶴を作成するプロジェクトを進めており、「話は聞きました。非常にありがたいですね。改めてサポーターの皆さんの温かさを感じました」と感謝を述べる。また、入院中は選手がお見舞いに足を運んでくれた。「(田中)隼磨は子どもと一緒に来てくれて、『カルシウムを取って』とアーモンドフィッシュや、『これでくっつけて』と接着剤をお土産に持ってきてくれましたね」と同級生のジョークを思い出し、笑みを浮かべる。
患部以外は元気だ。リハビリメニューは、ほかの筋力を落とさないようジムでの筋力トレーニングが主となるが、ボールを使ったメニューも取り入れている。ヘディングやボールタッチの感覚を忘れないためでもあるが、何よりボールが傍らにあると楽しくてホッと落ち着くからだ。アルウィンでの公式戦にも足を運んでいるが、外から試合を観ているとうずうずして、今にもピッチへと駆け出したくなる。サッカー選手に最も必要な“闘う気持ち”は折れていない。
「こんなにサッカーをしたいと思ったのは初めてです。このままでは終われないし、J1という目標もありますから」――。塩沢の復活のサーガが今、始まった。
以上
2014.07.08 Reported by 多岐太宿
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