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【J2:第21節 京都 vs 磐田】レポート:川勝京都、初陣は飾れず磐田に競り負ける。敗戦の中に課題と収穫、そして、方向性も観えた試合に(14.07.06)

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J2リーグ前半最終節、京都と磐田の一戦は、磐田が前半に挙げたリードを守り切り京都に競り勝った。
京都・川勝良一監督の初采配。メンバーでは、右サイドバックに石櫃洋祐が復帰し、左サイドバックに、福村貴幸の怪我もあり、駒井善成が入った。対する磐田は山田大記がベンチスタートに。
試合は、京都が流れを掴めず、磐田ペースに。磐田は試合早々にクロスから前田遼一がシュートを放ち、その後も小林祐希がミドルを放つ。その後、こう着状態に入るかと思われた24分、磐田がスコアを動かす。右サイドのペク ソンドンが仕掛けると、駒野友一が追い越す。駒野からのクロスに前田が頭で合わせて磐田が先制。さらにその4分後、磐田は右CKから逆サイドの前田が頭で折り返すと、このボールを中央で京都・田森大己が詰めるも、ボールを押し込んでしまい京都のオウンゴール。磐田が2-0とリードを広げる。
しかし京都も32分、山瀬功治が磐田DFのパスをカットして持ち込むと、切り返しで一人かわしてシュート。DFに当たり、さらに磐田DF伊野波雅彦のクリアミスが磐田ゴールに吸い込まれ、京都1-2と1点差に詰め寄る。だが43分、磐田のFKで前田が頭で合わせ、磐田は3-1と、再び2点差に広げる。

後半、ギアを入れ替えた京都。開始早々、左サイドで駒井から山瀬へボールが渡ると、山瀬が一人かわしクロス。これを大黒将志が、相手のマークを巧みに外し、頭で合わせて、後半開始すぐに京都が2-3と追い上げの狼煙を上げる。その後、京都は勢いを見せ、磐田ゴールに迫るも、フィニッシュが遠く、最後はバヤリッツァも上げ、パワープレーを仕掛けるがゴールには届かず、結局2-3のまま、磐田に敗れた。

試合後、磐田・シャムスカ監督は、サイドからの攻撃と、前田の得点力について高く評価した。サイド攻撃では、右サイドの駒野の攻撃参加は見事の一言。回数が多い訳ではないが、得点の匂いのするクロスを上げる辺りはさすがの仕事ぶり。前田の得点パターンも見ものだった。自分の合わせるポイントはここ、というシュートの持ち込み方で、マークについていた京都DFは、一瞬の隙にやられたという感じだったのではないか。
ただ、これがレベルの高いストライカー、という感じもした。勝負するポイントを心得ている、という感じ。例えば、広島の佐藤寿人も形は違うが、どう勝負するかがはっきりとしている感じがある。広島のパスの出し手と佐藤本人は解っているが、相手はそれに対応しなくてはならない。その一瞬のギャップが隙に観える、という感じ。大黒将志や柳沢敦、柿谷曜一朗にも同じものを感じる。京都DFにとっては、そういったレベルの選手と対峙して何を感じたかは、大切にすべきだろう。

京都は、前半の戦い方のままなら批判しかないが、後半に盛り返したのは救われた感がある。その中で工藤浩平は前半から勝負を仕掛けていた感じがあった。39分ごろ京都CKで、磐田が跳ね返し速攻につなげようとしたところでボールをキープしていた選手に体をぶつけてボールを奪ったシーンは、観ていて凄みがあった。体をぶつけるプレーは松井大輔も上手かったが、こういうプレーはもっとやるべきだと思う。京都では石櫃もこうしたプレーが出来る選手。若手でイチオシは磐瀬剛。福村や駒井は昨年までよくやっていたが最近は観なくなった。体をぶつけるプレーは技術よりも、意志の問題。やろうとするかどうかだ。

川勝監督の会見コメントを拾うと、大体の方向性は観えてくる。「大黒以外の選手で、裏とか、スペースに関してもっともっと激しくできる様なチームというか、そこに変えていければ」とか、「大黒の依存度が上っても、他がどんどん上っていけばいいが、やはり、裏へ対しての意識だとか、長いボールを蹴ろうか躊躇している場面が前半何回かあったり、結局タイミング悪く蹴ったりだとか。そういうところをもっとスムーズに出来る様に。局面の上手さを、最終的に目的・ゴールにつなげないと意味がない。クロスから1点決めているが、色んな形をもっと植え付けていきたいと思う」とか、「速さとか、裏に対しての反応がどんどん出てくれば、やっぱり点の匂いというか、ゴールに近づくと思っているので、いかにそこを、中盤でのビルドアップからそこにつなげていくか」という言葉が、それの様な気がする。

「最終的に目的(ゴール)につなげないと意味がない」という言葉に関連して、試合前の練習場での囲み取材で、「FWという人種」について監督は話をしてくれた。
例えば、外国人FWだと、自身の仕事ぶりが、親・兄弟・親戚の生活まで背負っていることがあるので、貪欲に点を取りに行く。他にも例えば、大黒の様な選手だと点を取ることに人並み外れてこだわりをみせる。そうした選手は、何度でもゴールへ向かっていく。人に言われるまでもなく、ゴールへの執着を見せる。では日本の他のFWはどうか。点を取りたい、もっとのし上がりたいと思って、理屈抜きに猛犬の様にゴールへ向かう。そういう選手が日本にはまだ少ないのではないか、という内容だった。川勝監督は会見では「目的(ゴール)につなげる」と理論的に話をしていたが、感情的には「点を取りたいと思ったらゴールに向かって何度でも走って行け!」と、思う部分もあるのではないか。ただ、そうは言っても、ただ走って行くよりも、その質を上げる方がゴールは近づくので、理論的な要素も必要、となるのかも知れない。

そうした、ゴールへ向かう様な環境作りも監督の仕事となる。今節、負けたのは悔しい限りだが、チームの方向性など観えてきた部分もあり、収穫もあるのではないか。何よりも、これを受けて、選手がどういう意識をもってサッカーに取り組むか、そこが大事になる。

以上

2014.07.06 Reported by 武田賢宗
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