本文へ移動

今日の試合速報

ブルーロックLP
ブルーロックLP

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第20節 千葉 vs 松本】レポート:試合開始早々のPKの1点でフクアリ初勝利の松本。千葉はフィニッシュの場面での精度不足が悔やまれる敗戦。(14.06.29)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昨季、J2リーグ戦最終節での千葉の兵働昭弘の後半アディショナルタイムの同点ゴールにより、千葉は5位でJ1昇格プレーオフ出場を決め、松本は千葉と同勝点ながらも得失点差でJ1昇格プレーオフ出場圏外の7位となった。そんな因縁のある両チームの今季の姿は大きく違う。

前節終了時で12位と低迷する千葉は指揮を執って2年目の鈴木淳前監督を6月23日に契約解除とし、今節から斉藤和夫テクニカルダイレクターが監督代行を務める。松本は反町康治監督が就任して3年目の今季は安定した戦いぶりで、前節終了時点でJ1自動昇格圏内の2位の磐田と同勝点で得失点差の差による3位。嫌な流れを大きく変えたい千葉と、いい流れをさらに加速させたい松本の一戦は、自分たちが試合の中で流れをつかんでいた時に得点できたかどうかで勝敗が分かれた。

アウェイながらも多くのサポーターが集結した松本は立ち上がりから得意な形で攻勢に出た。2分、岩上祐三が素早く前線にロングボールを入れると、船山貴之がスペースに飛び出してボールを追い、ペナルティエリアへ侵入を図る。船山は千葉のキム ヒョヌンのコンタクトを受けるとバランスを崩し、持ちこたえたかに見えたあとで倒れて主審はPKの判定。船山はコースを読んだ千葉のGK岡本昌弘の手の先のゴール左下隅へ確実にPKを決め、先制点を奪った。これを機に松本が一気に押し込むかと思われ、実際にこぼれ球から8分に犬飼智也が、19分に飯田真輝が決定的なシュートを放つ。だが、8分はクロスバーの上で、19分は千葉の山口智がブロックと、追加点を奪うまでには至らなかった。

千葉は連続失点を免れると次第にボールを保持する時間が増える。早い時間に先制した松本は無理にボールを奪いに行く必要がなくなり、ボールを持たせた千葉がミスで失ったボールを奪ってのカウンター攻撃を狙ったのか、千葉は次第に「中盤でもそんなにプレスを感じなかったので、そんなにやりづらさはなかったからボールを運べたと思う」(佐藤健太郎)状態になった。それでも千葉が「崩しきるところまでいかなかった」(佐藤健太郎)のは事実。最後のところで体を張る3バックを中心とした松本の守備の前に精度を欠いたクロスは簡単にはじき返され、ペナルティエリア外からのミドルシュートは枠外が多かった。昨季に松本を『天国から地獄』に突き落とした兵働はケンペスと並んでチーム最多の5本のシュートを打ったが、ミドルシュートは不発に終わった。47分に谷澤達也のスルーパスから、73分にワンツーで中村太亮のパスからケンペスが決定的なシュートを打ち、どちらも松本のGK村山智彦がセーブ。だが、ペナルティエリア内で相手の隙とスペースを突いてシュートを打てたからこその決定機で、千葉はこういった崩しがもっと欲しかった。

プランどおりと思われる、先制して守りを固める展開でフクアリ初勝利を得た松本。だが、欲を言えば千葉に止めを刺す追加点が欲しかったし、カウンター攻撃だけでなくマイボールの時間を増やすような攻撃ができれば、もっと楽に勝ちきれるのではないだろうか。

千葉の斉藤和夫監督代行は「相手よりも一歩先を考えること」を意識付けさせ、相手の背後を狙う攻撃も求めた。それならば背後への動き出しにうまさがある田中佑昌や森本貴幸などのスタメン起用やより早い時間の選手交代があってもよかったのではないか。また、リスク管理を考えたとのことだが、点を取りにいく状況下での守備的な選手の田代真一の交代出場は、攻撃の推進力にはマイナスに働いた感がある。だが、いずれにしても依然として課題であるチームとしての攻撃での崩しの形のアイデアやバリエーションの不足、選手個々のラストパスやシュートの精度不足が響いた敗戦。プレーから何とかしたい気持ちは見えたが、その気持ちをプレーの質の向上で表現できなければ勝利を得るのは難しい。

以上

2014.06.29 Reported by 赤沼圭子
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/02(月) 00:00 ハイライト:札幌vs川崎F【明治安田J1 第29節】