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【J2:第20節 京都 vs 岡山】レポート:互いに攻撃姿勢を示した京都と岡山の試合は1−1の引分に(14.06.29)

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西京極での第20節、京都と岡山の一戦は、互いに譲らず1−1で引き分けた。
京都は、ルーキーの田村亮介を今節も先発に起用、そして、右サイドバックに駒井善成を配置した。試合は、開始早々に大黒将志が裏へ抜け出すシーンを作った後は、互いに中盤でつぶし合う戦いに。15分には、右サイドで駒井が起点にボールを落ち着けると、田村が飛び出し、その足下へ駒井がパス。これを田村がシュートを放つも枠を捉えきれず。逆に岡山は、25分に左サイドから右へと展開し、マイナスに送ると千明聖典がシュート。

京都ゴールに迫る岡山がスコアを動かしたのは29分。左サイドで三村真にボールが入ると、田所諒がタイミングよく外を周る。田所はドリブルで持ち込むとエリア内へ。ゴールラインも近いサイドの位置を取ると、クロスを選択せず思い切り振り抜く。そのシュートが京都ゴールへ突き刺さり、岡山が先制する。
リードされた京都は攻撃意識を強めると41分、右CKを獲得。ニアで岡山DFに触られたボールが中央に流れてくると、そこに今季初先発の内野貴志。内野がこれを蹴り込み、京都が同点に持ち込む。

後半に入ると、互いに攻め合う展開に。6分、11分と岡山・上田康太がシュートを放つと、京都は24分、大黒将志がクロスに胸トラップから前を向いてゴールに迫り、その直後にも頭で合わせて岡山ゴールに脅かす。徐々に京都がポゼッションを高めるも、岡山もカウンターで応酬。試合終了間際にも岡山が何度か京都ゴールに迫るも、京都は粘り強く守り、結局スコアは動かず、1−1のまま両チーム勝点1獲得にとどまった。

試合後、岡山・影山雅永監督は「勝ち切るところまでの攻撃姿勢は相手を上回っていたのでは」と選手の戦いぶりを評価した。交代カードでも、FWを替えて前傾姿勢を強調し、光るものがあった。対して京都。森下仁志コーチも、伊藤優汰、有田光希、宮吉拓実と攻撃的カードを次々と送り出し、ゴールを目指した。

采配で新たな手を見せたのが駒井の右サイドバック起用。試合後の会見でも森下コーチは「この場を借りて感謝の気持ちしかない」と口にしたが、何年前かは定かではないが、大木武元監督もシーズン直前の練習試合で駒井を一度左サイドバックで試したことがあった。彼をサイドバックで、という構想はそれほど突飛では無い。彼自身の「前へ」という姿勢は上手くマッチしていたのでは、という感想だ。森下コーチは本来のポジションではない、という考え方の様だが、前方にスペースが格段に多くあり、そこをどう攻略するか、という考え方に立てば、むしろ、駒井の攻撃的センスが素直に引き出されたのでは、と感じた。中盤の中寄りにポジションを取った瞬間は、サイドバックらしくない攻撃位置で面白かった。実際に、京都が具体的にどういうサッカーを展開するかが分からないので、やろうとしていることの理解はまだこれからになるが、気持ちの部分で強さが出始めたのは確かだろう。

戦術的にまだ解らないが、後半に動き出しが増えた点は、好印象を持つ。駒井が前のスペースへ飛び出したり、ボールを受けるために前のスペースで入り込んでいたのはもちろん、29分に有田が長い距離を走り、スペースで受けようとし、田森大己がパスを送ったシーン。その前に24分にも有田が引いてパスを受けようとしたことで、大黒のマークが一つ剥がれ、その大黒へ田森がパスを送ったシーンなど、有田の動き出しも光るものがあった。もちろんそれだけでなく、ボールを一つ前へ運ぶために選手が献身的に動き出していこうとする姿勢はバドゥ監督時からの継続性も感じさせた。もちろん、全てが良かった訳ではないが、京都にとっても好材料が随所にある試合だったのではないか。

以上

2014.06.29 Reported by 武田賢宗
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