前節の大分戦に続き、立ち上がりからアグレッシブに攻めた愛媛。開始直後の6分には、角度のないところから堀米勇輝が狙うなど、ゴールへの強い意欲も感じられた。河原和寿は「サイドが起点になってクロスからいい形は作れていた」と前半を振り返ったが、左サイドでは河原とキム ミンジェ、右サイドでは堀米と藤直也が絡みながら愛媛が熊本ゴールをうかがっていた。逆に、熊本はスライドが遅く、愛媛の幅を使ったサイドへの展開についていけない。フリーでクロスを入れさせる場面も多く、その流れが後半の立ち上がりから愛媛のゴールラッシュにつながっていった。
そして、先制点が生まれたのは後半キックオフ直後のプレーだった。藤がドリブルでサイドを突破すると、折り返しに対してニアサイドに入った西田剛が潰れて堀米がシュート。熊本の守備陣も体を投げ出して阻もうとしたが、堀米のシュートは園田拓也と畑実の脇をすり抜けてゴールネットを揺らした。すると、その4分後にはキム ミンジェのクロスに西田が飛び込み追加点。さらにその5分後には、愛媛が右サイドを崩して今度は河原がゴール。最終ラインから村上佑介も攻撃に加わり、ペナルティエリア内もしっかり人数をかけて奪い切る素晴らしいゴールだった。そして、最後の4点目は藤。キムのクロスに西田が頭で競り、こぼれたボールを思い切りボレーで叩き込んだ。
これで試合は愛媛のワンサイドゲームになったが、熊本にもチャンスがなかったわけではなかった。前半の終了間際にはフリーキックの流れから澤田崇がシュート。GK児玉剛の好セーブに阻まれたが、こういうプレーで流れを引き戻すチャンスもあった。ただ、この試合に関しては守備に回った際に愛媛の選手に自由を与えすぎた。90分を通じて熊本はプレッシャーがかからず、「ストレス無くボールを動かせた」(石丸清隆監督)愛媛が圧倒。そして渡邊一仁は「1−0でも0−0のままという気持ちで危機感を持ちながら戦えていた」と振り返ったが、愛媛は畳み掛ける攻撃で追加点を奪い、つけいる隙も与えなかった。
ゴールの奪い方、試合運びともに愛媛にとっては今季最高のパフォーマンス。「相手云々じゃなくて自分たちのサッカーをやろう」という石丸監督の言葉通りパスを繋ぎ、攻守ともにアグレッシブに戦い抜けた。試合後、愛媛の選手たちも手応えを感じている様子だったが、リーグ前半戦最後のホームゲームは最高の形で締めくくった。次のアウェイ北九州戦(7/5@本城)でもこの戦いを続けられるか。愛媛は5試合ぶりの勝点3となったが、その守り抜いた湘南戦とは違って今回の勝利は主導権を握り、自らの力で呼び込んだもの。まずはこの勢いを次節に持ち越し、連勝でリーグを折り返すことで後半戦の巻き返しに繋げたい。
以上
2014.06.29 Reported by 近藤義博
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