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【J2:第20節 群馬 vs 大分】プレビュー:信頼を取り戻すための戦い。Jライセンス確保へ必死の経営努力を続ける群馬がホーム必勝を誓う。大分はチェ ジョンハン退団を乗り越えて3試合ぶりの勝利を目指す。(14.06.27)

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信頼を取り戻すための戦いだ。前節、下位脱出をかけて敵地松本へ乗り込んだ群馬だったが、結果は1−3で完敗。内容的にも課題を残した。最近5試合は2勝1分2敗。決して悪い成績ではないもののチームには好不調の波があり、不安定なチーム状況を露呈している。

最近のホーム2試合(16節横浜FC、18節熊本)は1分1敗。エキサイティングなシーンを演出することができずスタジアムには閉塞感も漂い始めた。2年連続の下位争い。このままではサポーターの心は離れてしまう。幸いにも今季のJ2は湘南を除いて大混戦。まだプレーオフ圏内への可能性は十分に残されている。折り返し地点まで残り2試合、群馬は今節を起点にして上昇気流に乗らなければいけない。

クラブに吉報が届いた。MFファンソンスが母国・北朝鮮代表合宿に招集された。今節大分戦の出場はできなくなるが、クラブにとっては大きな名誉。ファンソンスは「シーズン中にもかかわらず合宿に参加させてくれたチームに感謝しています」とクラブを通じてコメント。25日夜に、相棒・富居大樹に見送られて北朝鮮国内で行われる合宿へ向けて旅立ったという。秋葉監督は「これまで元代表選手はいたが現役の代表はおそらく初めて。ソンスには代表メンバーに入れるようにすべてを出し切ってほしい」と語る。群馬は守備システムの再編成を余儀なくされるが、群馬の誇りを背負って現地で闘うソンスへ勝利を届けたい。

攻撃の軸はロビーニョだ。気温が上がるにつれてコンデションを高める夏男は、目下、5試合4ゴールと絶好調。前節、松本戦でもPKを決めてチーム単独トップの今季5点目を決めている。3試合連続ゴールのロビーニョは「連続ゴール記録よりもチームの勝利が最優先。自分のゴールで勝利が決めれば、それが一番うれしい」と、勝点3をたぐり寄せるためにゴールへと向かう。J2屈指のパワー、スピード、決定力を持つロビーニョの存在は、大分守備陣にとって一番の脅威。群馬は、この強力な武器をフロントラインに配置して大分撃沈を狙う。

大分は前々節栃木戦で4失点を喫して敗れると、前節ホーム愛媛戦では一時逆転に成功したものの最後に追いつかれて無念のドロー。敵地群馬で3試合ぶりの勝利を目指す。20日に、在籍6年目を迎えていたFWチェジョンハンの退団が決定。チームトップスコアラーを失うことになったが、攻撃のタレントは多く、ここからがチームにとっての勝負だ。現在6位の大分だが、最近2試合で計6失点したことが響いてJ2上位10クラブ中唯一、得失点差がマイナスとなっている(得点18失点22)。この数字は、大分が少ない得点をチーム全体で守って勝点を積み重ねている証。群馬にとって大分は手強い相手になることは間違いない。

財政危機のため支援募金活動を続けている群馬は今日27日に都丸晃社長が会見を開き、同日にJクラブライセンスの交付申請をしたことを発表した。クラブは今季の単年度黒字と債務超過解消のため8500万円の資金調達計画を立てて行動していたが、募金、協賛などによって約7200万まで到達したついたことを公表。そして、さらなる努力が必要だが地域の協力により来季のJライセンス確保の道が開けつつあることへの感謝を示した。足元を見つめ直したクラブは、いま地域に愛されるクラブになるための努力を続けている。だが主役である選手たちが輝かなければ、支援ムードはしぼんでしまう。大分戦で、チームがどんな戦いをみせるのか。地域の夢を託すに相応しい「ゲーム」、そして「振る舞い」をみせることが、チームに託された使命だ。

以上

2014.06.27 Reported by 伊藤寿学
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