福岡が好調だ。本格的に布陣を3バックに変更してから4戦負けなし。前節の水戸戦に勝利して4年ぶりの3連勝を挙げた。最終ラインが安定したことにより、チームが志向する高い位置からのプレッシングサッカーが機能しはじめたことが、その要因。流れの中からの得点が少ないという課題も、前節の水戸戦で鮮やかな連係プレーから2得点を挙げるなど改善の兆しも見えてきた。もちろん、すべてが解決したわけではない。試合の入り方が悪いことや、ミスが多いことなど引き続き改善に努めなければいけなく課題も少なくない。しかし、自分たちのサッカーを表現すれば結果につながるという自信のようなものが選手たちに芽生えているのは確かだ。
また、シーズン前に心配されていた層の薄さも、怪我から復帰した金森健志が3試合連続ゴールを挙げているのをはじめ、2トップの一角として前線でのハードワークでチームに貢献する酒井宣福や、献身的なプレーで中盤の守備を支える武田英二郎らの活躍で解消されており、怪我のために第16節以降離脱していた坂田大輔の復帰が濃厚であることなど、チームには好材料がそろう。
しかし、チームが好調だからこそ、指揮官は気持ちを引き締める。
「3連勝したからと言って我々は浮足立つことはない。チームの変化は始まったばかり。まだまだハードワークしていかなければならない。我々の中にできたスタンダードを元に、引き続き戦っていくことが必要だ。ここで満足するわけにも、立ち止まるわけにもいかない。これからかなりタフな試合が続くが、今の結果に自信と誇りを持って戦うと同時に、自分自身を謙虚に見つめ、いまの結果は我々のハードワークがもたらしたものであることを忘れてはいけない」(マリヤン プシュニク監督)
そして福岡は、3試合ぶりに迎えるホームゲームでさらなる成長を目指して戦う。目指すものは、もちろん勝点3だ。
だが、迎える栃木は簡単な相手ではない。財政状況の悪化から育成型クラブへの転換を図ることになった2014シーズンは、約半数に当たる13人のメンバーを放出して戦力低下が心配されたが、ここまで8勝5分6敗の成績は7位。連敗は第12節湘南、第13節岡山で喫した2連敗が1度だけ。全員攻撃・全員守備をベースとするオーソドックスなスタイルで堅実に勝点を積み上げてきた。4−4−2の布陣で積極的にプレスをかけ、ボランチのところでボールを絡め取るのが守備の基本。奪ったボールをターゲットマンの大久保哲哉に預け、そこを起点にして、廣瀬浩二、近藤祐介、湯澤洋介らがスペースへ飛び出してくる。決して派手さはないが、それぞれが着実に役割を果たすチーム。だからこそ、警戒しなければならない相手と言える。
また、大久保はかつてレベルファイブスタジアムを湧かせ、博多で最も愛された選手の1人。山形辰徳は福岡の練習生からプロ契約を勝ちとり、豊富な運動量を武器に福岡の右サイドを守り続けた選手。そして、若武者を思わせる重松健太郎は、その熱いハートで福岡サポーターの気持ちを捉えた。彼らもまた福岡には特別な想いを持っているであろうことは想像に難くなく、その想いをひとつ、ひとつのプレーにぶつけてくる。福岡のホームゲームとは言え、僅かな隙を見せれば、それは命取りになりかねない。
福岡に求められているのは、いつものように戦う意識と態度を持って、90分間にわたってアグレッシブに戦い続けること。いまのチームに必要なものは、華麗なプレーでも、美しいゴールでもない。相手よりも走り、1対1の勝負に勝ち、ただひたすらに、そして貪欲にゴールを目指すこと。失点を恐れずに前に出続けること。それが福岡のサッカーのすべての原点だからだ。ゴールも、勝利も、その結果。前述のプシュニク監督の言葉は、それをチームに求めていることを意味している。
注目されるのは第16節以降、怪我でチームを離れていた坂田をどのように使うかということ。そして、好調を維持する福岡が坂田の復帰で、どのように科学変化を見せるのかということ。攻撃陣は、いずれも好調なだけに、ポジション変更も含めてプシュニク監督がどのような采配を振るうのかは興味深い。いずれにせよ、福岡が求めるのは攻撃的なサッカーを展開して勝点3を積み重ねること。どんな相手であろうと、とんな状況にあろうと、ホームゲームで必要なものは勝点3しかない。
以上
2014.06.27 Reported by 中倉一志
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