前節はアウェイで大分と対戦した愛媛。河原和寿のゴールで先制した後、一時は逆転を許したが、最後に渡辺亮太の2試合連続ゴールで追いついてドローで終えた。結果としては連敗を3で止めることができたわけで、敵地で最低限の結果を残したといえる。そして、結果以上にポジティブにとらえられるのが試合内容。前線からボールを奪いにいく姿勢を出して、ゴールまで結びつけるアグレッシブな形が出せた。
第6節以来の出場となったボランチ渡邊一仁は「外から見ていて、この6試合は勝った試合も負けた試合も引かされてしまうことが多く、ポゼッションをしても相手がセットしている状態になっていた。カウンターをしようとしても威力がなかったし、どこか高い位置で奪わないといけないと思っていた」と指摘をしたが、ショートカウンターが成功した先制点はその渡邊一の狙いがまさに実を結んだゴールだった。それ以外の場面でも、チームとして前から奪うという姿勢がいい攻撃にもつながっており、久々にゴールへ向かう推進力が感じられる試合展開に持ち込めた。
もちろん、その後の2失点は反省材料になる。セットプレーからの1失点目はマークが緩み、2失点目はサイドで奪われてから人数は足りていたが、最後は高松大樹をフリーにしてしまった。こうした反省を今節に生かせるか。今節の対戦相手となる熊本はセットプレーに強く、ショートカウンターも鋭い。前線の齊藤和樹や澤田崇らにはスピードもあり、簡単に前を向かせたくない相手だ。また、セットプレーでは昨季まで愛媛にいた園田拓也にも注意が必要。昨季一緒にプレーした愛媛の選手なら、その高さはよくわかっているはずだ。愛媛としては今節も前から積極的に守備ではめていくことが当然求められるが、そうした局面で隙を見せない戦いもできなければ勝点3にはつなげられない。
一方で、熊本も前節の京都戦で4失点した守備の立て直しが必要になる。前節は不運な失点もあったが、人数が揃っていても対応がルーズになったり京都に付け入る隙を与えてしまった。まずはここ3試合続く失点を最小限に抑えることで、4試合ぶりの勝利に繋げたいところだ。
そうした守備の課題に加え、両者に共通しているのは90分間の戦い方。どちらも前節は先制しているが、いずれも勝点3は得られていない。ともに先制したあとのチャンスを逸している点も勝ち切れなかった要因となっており、悔やまれる所だ。今季のJ2は本当にどのチームも実力が拮抗しており、1つの判断ミスやプレーの精度が勝敗を分ける。そうしたひとつひとつのプレーの積み重ねの上で、90分間を通じた勝ち切る試合運びができるようにならなければ後半戦も勝点3を積み重ねることは難しい。リーグ前半戦は今節も含めて残りわずか2試合。上を目指すためにはもう挽回できる時間は限られている。愛媛も熊本も、崖っぷちに立たされているという危機感を持って戦い抜かねばならない一戦でもある。
以上
2014.06.27 Reported by 近藤義博
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