シーズンは間もなく折り返し地点で、ラストスパートにはまだ早いのだが、今回取り上げるのはクラブのことではない。いや、クラブに関わることなのだけれど現場のことではなく、4月末から取り組んでいる「ロアッソ熊本存続支援募金」のこと。
5月7日にアップされているJ2日記でも紹介したが、2015年のクラブライセンスを付与されるための財務基準の1つである債務超過の解消に向け、クラブは7000万円の増資と合わせ、3000万円を目標とした募金を呼びかけている。この期限に定めたのが7月31日。つまりあと1カ月後に迫った。
募金に関しては、ホームゲームの会場に留まらず、銀行口座への振込のほか、選手やスタッフも街頭に立って募金活動を行う等、様々な形での呼びかけが行われている。サポーター有志で立ち上げた「ロアッソ熊本を救う実行委員会」が取り組むペットボトルを使った募金箱で県内各地へのアプローチ、関東や関西在住のサポーターによる県外での活動、またオーダーメードパン屋(ロアッソ熊本存続支援パン)や、アンサーインターナショナル(勝ち名海苔)、かんしょや(ロアッソ饅頭)など商品の売上から寄付分を捻出しているスタジアムグルメの店、さらには全社員の夏期賞与の一部を寄付に充ててくれた企業もあれば、熊本を訪れたアウェイチームサポーターも募金してくれたりと、支援の“幅”は確かに広がっている。
しかし、クラブのホームページで随時報告されているが、それによると6月25日までの集計で寄せられた金額は約1226万円。開始からちょうど2カ月が経ったが、目標としている3000万円の半分にも達していない。
県内の全市町村、合計430カ所以上に設置されたペットボトル募金箱の分はこの額に含まれていないため、回収後に幾らかは増えるだろうし、また7月6日に開催予定のファン感謝イベントでもチャリティバザーを企画する等サポーターもアイデアを出して手を尽くしている。それでも不足分を補うほどの額が集まるとは考えにくい。
そうなれば、最後はやはり県民の力によるひと押し、つまりラストスパートが必要になる。
事情は違えど、隣の大分は2012年、県民からの募金で1億円を集めてJリーグからの借金を返済している。募金に頼ることの是非はもちろんあるし、J1に定着はできずに再びJ2降格となったものの、2012年のプレーオフからの昇格劇は間違いなく、大分県のパワーや大分県民の思いの強さがあって実現したものである。
では熊本はどうか。普段は興味のない身近な人たちにまでクラブの存在意義を伝え、支援を広げ、県民の力で支え、地域として守り、子どもたちに残していけるだろうか。
あと1カ月。チーム、クラブのためであること以上に、自分たちのため。ラストスパート、しなくてはいけない。
以上
2014.06.25 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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選手たちも熊本市の中心市街地に立って募金を呼びかけた
サポーターが取り組むペットボトルの募金箱は、県内の全市町村、合計430カ所以上に設置されている
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