6月21日、Kankoスタジアムで行われた第19節・横浜FC戦で、プロ6年目のデビューを果たしたGKの椎名一馬選手。雨が降り続くゲームで、横浜FCの松下裕樹選手の鋭いグラウンダーのFKを止めるなど、すばらしいパフォーマンスを見せた。影山雅永監督は、試合後の記者会見で椎名選手についてこう話した。
「彼は2番手になったり3番手になったりを繰り返しながら6年間、Jリーグには出ていないんです。ただ、彼は1日たりとも手を抜いていない。だからこういった時に試合に出ても、すぐに力を出せる。思い切ってやってくれた、彼の良さが非常に数多く出たゲームだったと思います」
長く一緒にトレーニングをしてきたチームメイトも椎名選手への思いを口にした。岡山がJリーグに加入した2009年、同期で加入した田所諒選手は、「6年間一緒にやってきて、彼の最初の試合を負け試合にはしたくないと思っていました」。最終ラインの後藤圭太選手は、「みんなが彼をバックアップしたいという気持ちを持っていたと思う」と話した。
その中で、同じ高校・大学(流通経済大柏高、流通経済大学)で1年後輩の千明聖典選手からの祝福に、独特の深い愛情がこもっていた。試合後、千明選手はこう話した。「無失点でやってくれましたね。今日はイケるほうのカシージャス(スペイン代表GK)でしたね」。
椎名選手の補足によると、「イケル・カシージャス選手がワールドカップでミスったのが俺に見えたみたいで、俺のことを『イケないカシージャス』って呼んでたんです。今日もロッカールームに入った時から、『ミスるだろ、失点するだろ』って。いや、高校、大学で、俺がミスして負けているシーンがあるんで、あいつ的にこれは『ミスしてもいいんだぞ』っていう意味です。みんな試合前からずっと声を掛けてくれていましたが、千明はセットプレーでニアポストにいる時とか、『一馬、ここは声出して行こう』って」。
「前の週、範夫さん(高橋GKコーチ)から『(出場が)あるかもしれない』と聞かされて、『緊張は、みんなするものだ』と言われていたので、ひたすら緊張しようと思っていました。そうすればいつか大丈夫になるかもって。アップに入ったあたりから普通の、自然な感じになっていきました」。
「Jリーグの公式戦1試合を戦うということは、すごく大変なことだと思いました。プレッシャーの中でみんな、相手と戦っていますが、自分とも戦っている。そこでプレーすることが巧くなる一番の近道だなと。過去の5年間はつらいけど、自分のプレーをやめようとか、練習をやめようとか、投げ出すことはなかったですね。プロ1年目に左膝前十字じん帯のケガがあって、変わりました。試合に出られないとか言っても、サッカーができているわけだから問題ではないと。ケガをしないに越したことはないですけど、続けていればチャンスはある。いろいろ考えさせられましたね」。
初出場を無失点で終えたこのゲームには、奥さんと娘さんも観戦に来ていた。「最後は涙しながら応援していたと言ってました。試合が終わって、手を振る時になってようやく、どこで観ていてくれたのか気づきました」と教えてくれた。
以上
2014.06.25 Reported by 尾原千明
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