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【J2:第19節 水戸 vs 福岡】プレビュー:前節快勝したチーム同士の対戦。今節は「水戸市の日」。「やりきる」「走りきる」のコンセプトを出し切り、町に歓喜をもたらしたい。(14.06.20)

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「1試合ならば誰でもできる。リーグ戦は続けることが大事。1試合の結果で一喜一憂しませんよ」。前節の勝利に対し、柱谷哲二監督は浮かれることなくそう口にしたが、それは両チームにとって共通して言えることだろう。

現在13位の水戸と10位の福岡。上位に行くためには継続して勝点を重ねられる力が求められている。前節水戸は富山に3対0で勝利し、連敗を3で止めた。福岡は東京Vに5対0の快勝。2試合連続完封勝利をおさめている。調子が上向きつつある両チーム。ここから壁を破り、上昇気流に乗るのはどちらのチームか。前節のような力を発揮したチームが上位進出の資格を得ることとなる。

水戸にとって勝負のポイントとなるのが、福岡の激しいプレスをかいくぐれるかという点だ。3−5−2システムを採用する福岡は前線から果敢なプレスをかけ、水戸のDFラインに対しても圧力をかけてくることが予想される。その勢いに対して、後手に回って闇雲にロングボールを蹴る展開になってしまったら福岡の狙い通りの展開に陥ってしまう。プレスを受けながらも焦ることなく、意図を持ってボールを動かしてプレスをかいくぐっていきたいところだ。特に狙い目はウイングバックの裏のスペース。「前からプレスに来る際、サイドも高い位置を取る。その裏を狙いたい」と柱谷哲二監督が言うように、相手の勢いを逆手に取ったスピーディーな攻撃からチャンスを作り出したい。

逆に福岡は前線からの連動したプレスで水戸のビルドアップを封じ込め、高い位置でのボール奪取を狙う。相手陣内で試合を進める時間の長さがチームの調子のバロメーター。出来る限り、水戸陣内に押し込みたいところだろう。そして、トップ下の城後寿に多くボールを入れることができれば、流れは一気に福岡に傾くこととなる。水戸としては、スペースをコンパクトに保ち、城後のスペースを消してボールを入れさせないようにしたい。勝利を引き寄せるための両チームの激しい圧力の掛け合いが試合を面白くするに違いない。アグレッシブな姿勢がぶつかり合う好ゲームが期待される。

今節、水戸は大きな後押しを受けることとなる。この試合は「水戸市の日」と設定され、水戸市に在住・在学の方は証明書さえあれば、無料で観戦することができることとなっている。そのため、多くの来場者でスタンドが埋め尽くされ、大きな声援が送られることが予想される。「地域に元気を与える」をテーマに戦っている水戸にとって絶対に負けられない一戦であることは言うまでもない。「1人でも多くのお客さんに『来て良かった』と思ってもらえるように、そして、また来てもらえるような試合をしなければいけない」と尾本敬は力を込めた。

ただ勝つだけではない。水戸のコンセプトである「やりきる」「走りきる」姿勢を出し切り、攻守にアグレッシブな姿勢を貫いて勝つことに意義がある。厳しいゲームになることだろう。紙一重の勝負になることは間違いない。その中で相手以上の運動量と相手以上にゴールに向かう意識と相手以上に体を張る姿勢を前面に出して、勝利をもぎ取ることで水戸の町に歓喜をもたらしたい。地域とともに歩む、水戸の底力に期待したい。

以上

2014.06.20 Reported by 佐藤拓也
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