立ち上がりこそ互角の展開で幕を開けた一戦だったが、前半20分のPKから3点目が生まれた17分間の戦い方が両者の今の力の差を示す象徴的な時間だった。
「精神論はあまり好きじゃないけれど、戦っていない選手が今日は前半、特に多く見られたゲームだった」と石丸清隆監督は憮然として試合を振り返ったが、PKで気落ちしたかのように愛媛の選手たちは落ち着きを取り戻せないまま失点を重ねてしまった。その一方で岡山の影山雅永監督が「PKで前半は我々が畳み掛ける形で攻勢を自分たちに持ってこられた」と振り返ったように、先制した3分後には左サイドを崩して田中奏一が追加点を挙げると、さらに14分後には片山瑛一が裏に抜け出しボレーシュートを愛媛のゴールに叩き込んだ。
この追加点を含めて、試合を通じて岡山はゴールに向かう形でも愛媛との違いを見せた。例えば2点目はペナルティエリア内で三村真が仕掛け、中の田中がマークを外してゴールを決めた。ペナルティエリアの外からなかなか入っていけない愛媛とは対照的に、岡山は少ないタッチ数でボールを動かしたり、仕掛けたりすることで得点の場面以外にもチャンスを迎えた。そして2点目、さらに3点目もそうだが、受け手が動き出してマークを外し、それを出し手も見逃さずパスを出せているということ。決して多くの人数をかけているわけではないが、ゴール前でシュートを打てるスペースを作って得点を重ねることができた。いたってシンプルなことではあるが、忠実にやり切った岡山が前半で圧倒的に優位に立った。
その流れが、後半は一変した。
「前半で3点取って、後半はそうなったからこそ隙があったのかもしれない」と影山監督は指摘をしたが、守りに入ってしまった岡山。次第に愛媛が押し込む時間帯が増していくと、愛媛の1点目はコーナーキックから。73分に堀米勇輝が直接ねじ込むと、79分には河原和寿がドリブルで駆け上がり、最後は村上佑介が飛び込んだ。このプレーに対しては岡山も体を張って難を逃れたが、アディショナルタイムには西岡大輝のクロスに渡辺亮太が飛び込んで愛媛が1点差まで迫った。それでも、結果的には前半の3点が大きく、岡山が逃げ切った。
これで岡山は苦しみながらも負けなしを10戦に伸ばした。ただ、後半の戦い方には問題があり、課題と収穫が浮き彫りとなった。そして愛媛も17分間の戦い方に悔いは残るが、ポジティブに考えられる部分もあった。3点差がついてから、という点は差し引いたとしても久々に相手を押し込み、まだ回数は少ないながらもサイドを使う形も出せた。なにより3試合ぶりの得点で、こうやって前に出ればゴールが奪えるという結果を出して、その手応えを得たことは収穫。少しずつケガ人もベンチに戻っており、この流れを次の大分戦(6/21@大銀ド)に生かせるかどうかが連敗を脱するポイントだろう。
以上
2014.06.15 Reported by 近藤義博
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