連敗ストップを目指す富山は後半途中まで0−0の拮抗した展開でゲームを進めた。しかし、同25分に先制点を許すと踏ん張り切れずに崩れた。好機を生かせず、逆に一瞬の隙を突かれて失点する今季の負けパターンで、クラブワーストの8連敗。懸命なプレーに結果が伴わず、悩みは深い。重い足どりの選手一人ひとりの肩を安間貴義監督がたたいて回った。この戦いは投げ出すことができない。一夜明け、選手たちはスパイクを履きボールを追っている。
富山は前節に続いて[3-4-2-1]のフォーメーション。前節は負傷で出場を回避したDF御厨貴文とMF木村勝太が先発に復帰した。3連敗中の水戸は2トップを鈴木隆行と吉田眞紀人に入れ替えて臨んだ。
勢いよく飛び出したのはホームの富山。開始30秒過ぎのMF中島翔哉のミドルシュートから始まり、15分までに立て続けにシュートチャンスをつくった。全体を押し上げて中盤でボールを拾い、中島が高い位置で攻撃の起点になった。MF大西容平の縦パスがよく通り、ウイングバックに入った木村はゴール前に顔を出した。期待を抱かせる立ち上がりだった。しかし、水戸も徐々にペースをつかみ、富山陣内でテンポよくパスを回すようになる。18分にMF船谷圭祐がミドルシュートを放ち、直後には鈴木隆が右から持ち込んでゴールを狙った。
後半も先に攻勢に出たのは富山だった。同2分に大西からのパスを受けてFW三上陽輔が右サイドから狙う。この時間帯、プレッシャーを強めて意図的にボールを奪い、ショートパスをつないでゴールに迫るカターレらしいリズム感があった。だが、同13分にMF木本敬介のアーリークロスに合わせた三上のヘディングシュートも枠を捉えられなかった。
水戸も同13、15分に吉田のキープやドリブルでの仕掛けから好機をつくるが得点できない。同20分を過ぎ、1点勝負の緊張感がスタジアムに漂い始める。勝利から遠ざかっている富山にとって胆力が試される時間が訪れようとしていた。しかし、その同25分、エアポケットに入ったかのように1本のロングボールであっさりと先制点を許してしまった。水戸はDF裏に走り込んだ吉田に、相手の右サイドからDF広瀬陸斗のアーリークロスが入って、ヘディングシュートがゴールネットを揺らした。狙っていた攻撃のかたちだったという。並行して船谷と途中出場のFW三島康平も裏へとスタートを切っており、空いたスペースに吉田が入り込んだ。
その後の富山は勝っていないチームのナイーブさが露呈。攻め急いではカウンターを食らい、PKを与えて2失点目。アディショナルタイムにも失点し、後半途中までの頑張りとは不釣り合いな0−3のスコアで屈した。MF大西は「なにかが足りないから8連敗する。全員がそれを受け止めて責任をもってやらなければいけない。今日からだって変えられることはある。『信じている』と言ってくれるサポーターのためにも勝ちたい」と話した。選手は逃げずに困難と向き合っている。試練はきっと乗り越えられると信じたい。次節はアウェイでの札幌戦(6/21)。目先の1勝が必要だが、結果を恐れて自らの手足をしばることはない。サポーターが本当に待っているのは、持てる力をハツラツと発揮する姿なのだから。
以上
2014.06.15 Reported by 赤壁逸朗
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