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【J2:第18節 湘南 vs 讃岐】レポート:両者に浮かんだ明日への課題。今節を糧に次節へ向かう(14.06.15)

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試合終了の笛が鳴り、選手たちの険しい表情がピッチに並ぶ。敗者のみならず、勝者にも笑顔はない。湘南の曹貴裁監督の述懐にその理由が浮かぶ。
「とくに後半3−0になったあと、一人ひとりの連動感や奪ってからボールをしっかりゴールに繋げていくところが、スペースと時間がありすぎたせいかもしれませんが非常におろそかでお粗末だった。勝っただろうという感じのプレーも多かったし、いい加減なところでPKを取られたり、今季いちばんひどい後半だったのではないかと思います」

湘南のゲームの入りは悪くなかった。3分、最初に掴んだコーナーキックのチャンスで菊地俊介がシュートをねじ込み、幸先よく先制すると、さらに14分にもコーナーキックからウェリントンが第13節・熊本戦以来となる得点をヘディングで力強く決めた。その熊本戦以降、後半のゴールが続き、また直近の2試合は連勝ながらいずれも1−0の僅差だった湘南にとって、早い時間帯での複数得点の意味は大きかった。

かたや、「後ろは割り切って守り、前3枚は攻撃にパワーを使えればということで試合に入りましたが、それを出せないまま1点ビハインドになってしまいました。2点目も早い段階で入れられてしまい、やりたいことが時間を追うごとにできなくなった」高橋泰が語ったように、守備意識を高く持ちつつ相手の攻撃力の裏を突かんとする讃岐のゲームプランは、セットプレーによって揺らいでしまう。前半22分でソン・ハンキが負傷交代するアクシデントもあった。

湘南はその後も主導権を握り、流れのなかからいくつかの決定的なチャンスも演出した。後半の立ち上がりには菊池大介の仕掛けによってPKを奪い、永木亮太が冷静にこれを沈めてリードを広げた。

一方、前半は見せ場のなかった讃岐だが、後半アランと福家勇輝を投入し、システムも3バックにシフトして攻撃をてこ入れする。「ランナー2人に代えたところでうまくいったのかなと」北野誠監督曰く。イージーミスなどで自らリズムを失する相手の隙を突くように、木島良輔が個人技で突破を図り、手にしたPKを自ら沈めて1点を返した。対して湘南も、選手交代を行ないつつ好機も迎えたがスコアは動かず、3−1のまま長い笛を聞いた。

「悔しい思いしかない」讃岐の小澤雄希は言う。
「後ろは0でしっかり守ろうと話していたなかでの失点で、後手に回ってしまった。古巣だし、こうしてまた戻って来られて自分のプレーをもう一度見せたかったが、シュートで終われなかった。もっともっと追求していかなければいけない」

また高橋は、守備陣の労をねぎらいながらこう語る。「シュートもけっこう打たれましたが、結果的にはセットプレーの3失点なので、そこをなんとか耐えられていれば、という想いは正直あります」。セットプレーの守備は今後も課題のひとつと言えるだろう。

他方、湘南の菊池は、「何かを変えなければいけないと思わせてもらえる試合だったと思う」と自戒を込めつつ振り返る。
「シュートまで自分で持っていくシーンが3、4回ありましたが、『いいシーン』で終わってしまっている。こういう戦いではJ1で通用しない。もっと自分たちのスタイルを出さなければいけないと思うし、もっともっとゴール前のクオリティを高めなければいけない」

勝負は相手のあるもの、展開はさまざまだ。ただ、湘南の原動力ともいうべき選手たちの内的モチベーション、高みへの希求、「もっともっと」の想いは、相手に左右されるものではない。ひたすらシビアに戦い続けた、たとえば第7節・千葉戦が示すように。

永木は言う。
「同じことを繰り返さないことが大事だと思うので、次の試合(6/21vs磐田@ヤマハ)にほんとうに活かしたいと思います。確実に力のある磐田に対しても自分たちのスタイルを出したい。今日たくさん課題が出たので、1週間でクリアにして、次の試合に臨みたいと思います」

これまでも課題を肥やしにチームの幹を太くしてきた。今節も然り。笑顔なき試合はこの先、笑うためにある。いつもと同様、彼らの次に期待したい。

以上

2014.06.15 Reported by 隈元大吾
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