今日から始まったワールドカップ。早朝から起きて開幕戦をごらんになった方も多いと思います。そして、日本時間の日曜日(6月15日)の朝には、待望の日本の初戦があります。そこで、日本がワールドカップ初出場を果たした1998年のフランス大会にボランチとして出場した山口素弘監督に、当時を振り返っていただきました。
「現地は、どこにも日本人がたくさん来てくれていた。試合会場もそうだし、練習場にも。それくらい熱気があった。あの時の状況を考えたら、試合ではチームとしても自分としても普通にできたと思う」
今ではワールドカップ常連国になった日本ですが、何事も初体験というのは衝撃的なもの。ワールドカップ初出場だったフランス大会では、サポーターだけでなく選手も日本サッカー協会もすべてが初体験。結果としては3戦全敗でグループリーグ敗退と力不足の部分も見えたのですが、当時の状況の中では100%の力を出せたと山口監督は感じていたようです。
さらに、ワールドカップ初出場までの日本代表の努力という背景についても振り返ってくださいました。
「当時の日本代表は『世界』とどう戦うかということについて、とても長いスパンで考えていたから、それを考えるとワールドカップではすごくできたなという気持ちがあったということです。
僕が初めて日本代表戦に出たのは1995年の『キング・ファハド・カップ(現FIFAコンフェデレーションズカップ)』。その時にもアルゼンチンと試合をして、結果は1−5。プレッシャーを受けてしまって何もできないまま負けてしまった。圧倒されたんだよね。それがスタートだったから、ああいう相手にどうやって戦うのかということを考えた。そして、自分も含めて判断の早さを磨くしかないと…。
そのアルゼンチン戦から時を経て、1998年のワールドカップの舞台でいざアルゼンチンと戦った時に、ボールを動かせたし、奪って早く攻めることもできた。手応えというか充実感はあった」
この試合、日本代表はバティストゥータにゴールを決められて0−1で敗戦しました。その狡猾さにはレベルの差を感じたものです。ただ山口監督が振り返るように、当時の日本代表が目標としていたプレーについて手応えを感じていたということもわかります。これが、ワールドカップの最初の一歩。この一歩一歩を積み重ねて、今の日本代表があります。今の日本代表は、先人による長い歴史の積み重ねの結果。この積み重ねを自信に変えて、ぜひ1つでも上に勝ち上がってほしいと願っています。
以上
2014.06.13 Reported by 松尾真一郎
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