5位の岡山と2位の松本の対決は、予想通りの過酷な消耗戦となった。しかし互いの良さを潰し合うのではなく、ともに攻撃の形を作り出しながら、岡山は「自分たちで運んで、もうちょっとという所まで行って、それを決められない。ちょっとしたことが足りない」(影山雅永監督)、松本は「我々の良さである『一歩先に』、『一歩前に』というのはちょっと足りなかった」(反町康治監督)結果、スコアレスで引き分ける結果に終わった。
岡山は前節・磐田戦でのGK中林洋次の負傷により、GK真子秀徳が今季初出場した。真子は先週、「今まで準備してきて、出たら思い切りやることだけを考えています。ロングボールやセカンドボールに対して、DF陣としっかりコミュニケーションを取りたい」と歯切れ良く答えていた。また田所諒は、「紅白戦でもやっているので、集中してやるだけです」と、連係の不安を口にすることはなかった。
リーグ2位の得点数を誇り、その半数以上をセットプレーから決めている松本は、この試合でCK、FK合わせて20本を得た。また岩上祐三のロングスローからもセットプレーと同じ状況を作り出したが、岡山はその守備で「最初のセットプレーの後、自分たちで立ち位置を変えました。最初より真子(秀徳)さんがいい状態で競れたかなと思います」と後藤圭太。真子は7分の岩上のFKをクリアした後は、積極的に飛び出してセーブを重ねて行く。ゲーム序盤は岡山が前線に人数をかけられない状態が続いたが、15分に石原崇兆のクロスを三村真がシュートを放ったあたりから徐々に攻撃面でも持ち味を発揮。29分には突破を図った石原が倒され、PKを得た。
絶好のチャンスを得て、キッカーに名乗りを挙げた清水慎太郎だったが、左の低めを狙ったボールは松本のGK村山智彦に弾かれる。「データも頭に入れていたし、ぎりぎりまで清水選手の動きを見て、早く動きすぎないようにしようと思っていました」と村山。続くCKのチャンスにも岡山は決められず、松本サポーターのチャントがスタジアムに響く。しかしその後も岡山は、片山瑛一と清水が連係した崩しや、相手パスをカットして仕掛ける石原、1対1で勝つ田中奏一、後ろでボールを回す松本から奪う上田康太ら、岡山らしい良さを発揮していく。
前半を0−0で終え、後半最初にチャンスを作ったのは松本。交代で入った飯尾竜太朗が岩上のクロスに合わせて飛び込むが決まらない。また65分過ぎには、ユン ソンヨルから田中隼磨とつないだボールがいったんクリアされた後、PA手前で岩上が拾ってシュートに持ち込む。これをGK真子がナイスセーブ。ゴールを割らせなかったという安堵と、決められないもどかしさを数分置きに感じていたのは両チーム同じだろう。時計の針が進むのは遅く、照りつける太陽は厳しさを増すばかりでゴールという歓喜の瞬間が訪れることはなかった。
それでも清水慎太郎は岡山の全シュート16本のうち9本を打ち、「PKは自信がないと蹴らない。ゴールが欲しいからPKでもと譲る気はなかった」とストライカーらしい強気を見せていて頼もしい。松本は育成型期限付き移籍で仙台から加入した山本大貴が71分に投入され、ゴールには結びつかなかったものの積極的に役割を果たした。互いに良さを表現できたゲーム、結果は勝点1を分け合って順位をそれぞれ一つ後退させたが、次節へのモチベーションを高める内容だった。
以上
2014.06.08 Reported by 尾原千明
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