J2通算150勝―――。大分にとってJ2で積み重ねた勝利の数は、誇るべき数でなく、ただの通過点に過ぎない。「相手がシステムを変えて押し込まれた。このようなことで、あたふたしていては上では勝てない」。節目の勝利に田坂和昭監督は全く満足した様子はなく、悔しさを露にした。目指すステージで勝つチームを作る過程にすぎないということだろう。
試合は序盤から、ペナルティエリア内で人数をかけて守る山形の守備に苦戦したが、狙いははっきりしていた。試合前に「組織で守る相手に対し、組織で崩したい」と田坂監督が話したように、サイドに起点を置き、横幅を使った攻撃で組み立てる。末吉隼也が「シュートを打てなかったが、(パスを)つないで崩すことはできた」と振り返ったとおり、自分たちのペースで試合を運ぶことはできた。しかし、パスをつなぐ意識が強過ぎたのか、ゴール前での強引なプレーはなく、前半はシュート数0で終える。
ハーフタイムに「ミドルシュートを狙おう」と田坂監督に送り出され、実践した松本昌也が結果を出した。後半開始直後に山形の清水健太の怪我により、急遽GKが代わるアクシデントの影響もあるが、各世代代表で国際経験豊富な19歳は試合の流れが変わったことを感じていた。53分にペナルティエリア内でパスを受け、シュートコースを作り、ゴール右下にコントロールされたシュートがネットを揺らした。この得点を境に、両チームの攻守の入れ替えが早くなり、アップテンポな試合となる。リードしている大分としては、ボールを回し試合をコントロールしたかったのだが、相手の勢いをいなすことができず試合終了まで我慢の時間が続いた。高木和道の「どっちに転んでもおかしくない試合だった」との言葉通り、武田洋平のビッグセーブに、DF陣の体の張ったプレーで何とか1点を守り切った薄氷を踏む勝利となった。
一方の山形は、16本ものシュートを放ちながら得点は0。石崎信弘監督が「誰が落ち着いてゴールに流し込むか、そのあたりを解決しなければいけない」と振り返ったとおり、「決定機を決め切れない」という事実から目を背けることができない。前後半ともGKと1対1になる決定機を作りながらも、ことごとく阻止され、流れを掴めなかったのは致命的だった。後半早々のアクシデントで、浮き足立ったことも否めない。「ディフェンスラインやボランチの対応が甘かった。ディフェンスラインの裏に簡単に飛び出されてシュートを打たれた」(石崎監督)。
1点のビハインドを負ってからは、中盤をダイヤモンドにして攻撃に厚みをもたらし、押し込む時間帯を作る。あとはゴールを待つばかりという雰囲気が生まれつつあった。チームの目指す方向性は見えている。あとは各々の力を目標に向けて集結させること。勝てないもどかしさを抱えながら課題を克服するしかない。
以上
2014.06.01 Reported by 柚野真也
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