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【J2:第16節 湘南 vs 東京V】レポート:12000人を超える声援のなか、湘南がリスタートの勝利を収める。東京Vは5試合ぶりの黒星。(14.06.01)

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湘南は序盤から攻め立てた。縦への意識高く推進力を加速させ、武富孝介が、岡田翔平がゴールに迫る。奪ったところから武富が持ち込み、遠藤航が強烈なシュートを放てば、三竿雄斗のインターセプトを発端に武富が枠を狙いもした。

前向きな攻守の背景には、愛媛戦の反省があった。曹貴裁監督は言う。「前節の敗戦で、我々はなぜここまで来たのかという原点に自分自身も戻れた気がした」。向かうべきを再確認した彼らはさらに、遠藤のクロスに岡田のヘッド、こぼれ球に菊池大介のミドルとシュートの山を築いた。

一方、東京Vは立ち上がりこそ前からプレッシャーに出たものの間もなくブロックを敷き、湘南の攻勢を受け止めた。ときにカウンターを狙う場面もあったが、湘南の帰陣も速く、フィニッシュまで持ち込むことはできない。なにより、「相手のシュートミスに助けられた部分はありますが、それでも0−0でいくことはいまのチームには大事。まずは失点0という気持ちで入りました」と田村直也が語ったように、守備意識の高い45分だった。

東京Vのシュート数0に対し、湘南のそれは14と圧倒した。それでもスコアレスで決した前半は、東京Vにとってはゲームプランに即していたに違いない。かたやスコアを動かせなかった湘南にとって、大事なのは焦らないことだった。

藤田征也は語っている。「このまえのように焦って簡単に入れるほうがうちのチームは得点の確率が下がるのかなと思う。今日は色々アイデアを出して崩すことができたと思うし、今日みたいにやり続けることが大事だと思います」。これもまた、愛媛戦から得た学びのひとつだった。

前半は長くを押し込まれた東京Vだったが、後半立ち上がりにこの日初のコーナーキックを得ると、さらにショートコーナーから森勇介がクロスを送り、井林章がヘッドで狙った。急襲に対し、しかしGK秋元陽太も鋭く阻む。「クロスのボールのコースが変わりましたが、すぐ移動して対応することができた。今週ポジションの練習をしていたことがしっかり試合で出せてよかったです」そう語る秋元は、日々の練習から1本目を強く意識することで、突然のピンチへの対応力を培っている。

秋元のセーブからおよそ10分後だった。湘南に生まれた待望の先制点は、縦、追い越す、相手にとって危険なエリアへ入っていくといったらしさが詰まっていた。64分、ゴール前で受けた菊地俊介が、菊池大介とのワンツーからボックス内に侵入する。「相手よりも先にボールに触ることだけを考えて、無我夢中で走りました」。パスワークに一瞬後手を踏んだ相手DFを振り切り、菊地はシュートをねじ込んだ。振り返れば、枠を掠めるなど前半から示していた前への意欲が実ったゴールと言えた。

東京Vは結果的にこの1点に泣いた。悔やまれる失点に違いないが、ただ、「ディフェンスラインの堅さは出てきましたし、自分も最終ラインの前でなるべく危険なところを察知できるようにという意識でやっている」と田村が語ったように、前半を0で折り返し、最少失点に抑えた守備には、勝利への糸口が見出せそうだ。

一方の湘南は先制後、岩尾憲の投入とともにポジションチェンジを行ない、あらためて前に向かった。武富や岡田、さらにセットプレーから丸山祐市もゴールに迫った。ウェリントンは変わらず前線で起点となり、永木亮太の黒子の献身も淀みなく。終盤には宮市剛が短い時間ながらもその切れ味でスタジアムを沸かせ、最後は今節のメンバー最年長の島村毅が入ってゲームを締めた。

曹監督は言った。
「点差は1点でしたが、ゴールに向かう姿勢は開始から最後まであったと思います。今週はずっと自分たちの立ち位置をもう一度思い出す練習に切り替えて行なってきたなかで、パフォーマンスを発揮してくれた選手たちに心の底からおめでとうと言いたい」。

さらに指揮官は、12000人以上の歓声や後押しが厳しい試合をものにできた一番の要因と語り、日々練習してお客さんに楽しんでもらえるようなチームにこれからもしていきたいと結んだ。自分たちのスタイルと志を胸に、湘南がリスタートとなる大切な一歩を踏んだ。

以上

2014.06.01 Reported by 隈元大吾
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