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【ヤマザキナビスコカップ 柏 vs 徳島】プレビュー:柏がすべきことは、とにかく勝利を挙げるのみ。他力だが予選突破の懸かる柏が、徳島の守備ブロックと対峙する。(14.06.01)

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柏がヤマザキナビスコカップの決勝トーナメントに進出するためには、今回の徳島戦に勝利し、なおかつ浦和と対戦する名古屋の結果次第となる。予選リーグの自力突破の可能性を失ったことに関して、大谷秀和は「他力になってしまったのは、自分たちに力がなかったから」と反省の弁を述べつつ、悔いても結果は変わらないものとして「自分たちがすべきこととしては、しっかり勝って、それで他会場の結果を待つしかない」と徳島戦への勝利に意欲を示した。

対戦相手の徳島は予選リーグ最下位、5試合で勝点1と白星すらない。ただ、直近の2試合を見ると、小林伸二監督のチームらしい締まった守備組織を構築し、その守備が大崩れする気配はなかった。しかも名古屋戦も大宮戦も先制点を挙げており、最終的に勝ち切れなかったとはいえ、勝利目前の試合をしているという印象を受ける。
その徳島の守備安定の鍵になっているのが、川浪吾郎である。川浪は柏のアカデミー出身で、2010年に茨田陽生とともにトップ昇格。昨年から徳島へ移籍した。ヤマザキナビスコカップの名古屋戦、大宮戦と連続でスタメン出場を果たし、前回のパフォーマンスも「1対1の出るタイミングも思い切りがよく、試合には負けましたがやられていない。今日も幾つかの好セーブをやってくれた」と小林監督も高い評価を与えている。当然、長らく育った柏のホーム、日立台での試合でゴールマウスを守ることは、彼にとっても感慨深いものがあるだろうし、必ず柏を無失点に抑えると並々ならぬ闘志を燃やしているに違いない。

柏はJ1第4節の対戦では、徳島に苦戦を強いられた。橋本和のミドルシュートとレアンドロのゴールでなんとか勝利を収めたが、試合終盤まで0−0が続き、守備ブロック攻略に手を焼いただけでなく、徳島のカウンターに鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムに詰めかけたサポーターが沸くシーンも見られた。その時の対戦とは多少メンバーの入れ替えがあるが、基本的に守備を重んじる徳島の戦い方は変わらない。あの時の苦戦、そしてモチベーションの高い川浪が立ちはだかるとなれば、柏にとって簡単な試合になるわけがない。

徳島の守備ブロックを攻略する鍵は、サイドアタックにあると見ている。引いた相手の守備を攻略できない時の柏は、中央に攻撃が偏ってしまう傾向にあり、それがより攻撃を手詰まりにさせてしまう。逆に攻撃が活性化した試合では、前線の3枚に両ウイングバックが絡んだ幅のある攻撃が展開できており、予選リーグ第4節で3−0の快勝を収めた新潟戦などは、右の高山薫、左の橋本がアグレッシブに相手の守備の背後を突いたことで、結果的に中のスペースを有効活用できた。
名古屋戦で途中交代した橋本の状態が気になるが、もし欠場となれば輪湖直樹の起用が濃厚か。「自分の立場を考えると、何度もチャンスがあるわけじゃない。僕の持ち味は攻撃。チャンスを貰えたら、必ず爪痕を残したい」とチームの予選突破に加え、個人的な結果を求める輪湖も気持ちが入っている様子だ。
そしてサイドにパスを散らす、あるいは前線3枚に配球するのは、このところ調子を挙げている茨田の役目だ。茨田は中央が空けば新潟戦のようにスペースに飛び込んでゴールを挙げる感覚を今年は発揮し始めている。また、「吾郎と戦えるのは嬉しい。同期で、年代別代表でも一緒でお互いのことを理解し合っている。今回は対戦相手になるけど、吾郎との対戦を楽しんで、吾郎から点を取りたい」と、アカデミーから苦楽をともにしてきた川浪との対戦を心待ちにしている。

この試合の最大の焦点は、予選リーグ突破の懸かる柏がどう戦うかである。しかし、この1試合の中には、古巣に対して恩返しをしようとする者、チャンスを掴み取ろうとする者、かつての盟友との対戦を楽しみにする者など、それぞれの想いがある。中断期間に入る前の試合、ここで多角的にサッカーを楽しみ、試合を満喫した後は、日本代表を応援する“ワールドカップモード”に切り替えよう。

以上

2014.05.31 Reported by 鈴木潤
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