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【J2:第16節 北九州 vs 栃木】プレビュー:センターバックの「穴埋め」で試される北九州の総合力。栃木は先制点献上を防げるか。ともにゲーム運びにも注目の『新・餃子ダービー』(14.05.30)

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好位置にいながらも互いに喫緊の課題を抱える4位北九州と8位栃木。自分たちの中に抱える難題をクリアし勝点3を掴めるか。「新・餃子ダービー」と言うべき熱戦が始まろうとしている。

北九州にとってのポイントはセンターバックの人選だ。前田和哉が前節でレッドカードを受け、能力の高いセンターバックを欠くことになった。渡邉将基の相手としてこのポジションに入ることが有力視されるのは、前田が一時的に離脱した第6節長崎戦で出場し存在感を示した市川恵多、対人プレーの強さを真骨頂とするベテランの宮本亨、ここまで出場機会には恵まれていないがビルドアップに強みがある寺岡真弘など。その誰が出ても十分に代役を果たしうるだろうが、渡邉への負担も大きくなることは避けられず「ボランチのプレースバックなどグループでのディフェンス」(柱谷幸一監督)が求められる。

フェアプレーを掲げるチームにとって早い段階で出場停止者を出したことは想定外の事態。これまで紅白戦では主力組のセンターバックとして前田と渡邉の2枚看板を使い続けてきた。それだけにチームはオフ明け水曜日からの3日間をフル活用し急ピッチで調整。ただ、市川や寺岡は紅白戦で相手チームのシミュレーションを担うという役割から、3バックや4バックなどの多彩な組み合わせに柔軟に対応してきた。それが選手間のコミュニケーションや強固な連係を生み出すことにも繋がってきており、決して大きな不安を抱えるわけではない。柱谷監督はその位置に入る選手に「前田の穴を埋めるのではなく彼らしいプレー」を求め、培ってきた能力の発揮を促す。90分を終えたときにゼロか、限りなくそれに近いスコアが相手に刻まれていたならば、それは選手層の厚さ、バックアッパーの成長をも如実に語るものとなるだろう。想定外の事態をポジティブに捉えてゲームに臨んでいきたい。

もう一つ、北九州が直面しクリアが求められる課題は「先制点」だ。前節・岐阜戦はここ数試合の中では際立つほどにゲームの入り方が良かったが、前半を終えてのスコアは0−0で後半には先制点を献上してしまう。最終スコアは退場者を出しながらも原一樹が鮮やかな同点弾を決めて1−1となったが、悔しさを強く覚える試合となった。攻撃陣は「前半はチャンスがあったのにそれを決められないとこういうことになる」(池元友樹)と省み、柱谷監督も「(最終ラインに)ギャップがある中であの状況では取らないといけない」と厳しい言葉で振り返った。
過去5戦のうち北九州が流れを引き寄せきれず、先制点を相手に決められた試合は実に4試合にも上る。もっとも2試合は逆転勝ちを収めているため、メンタル面に痛手を負っているわけではない。8試合続けて2点以上の失点はなく、他方で複数得点が多いなど、攻守両面に勝てるという自信に満ちているのも事実だ。ただ「早い時間に入るに越したことはない」(原一樹)のは当然のことで、上位にいるチームがその地位を確保し続けるためにも、先制点を奪い、安定的にゲームを進めていくプランが必要だ。「優先順位の最初はゴールに向かうパス。引かれると動かしながら引っ張り出すようになる」とは柱谷監督。前線ではタレントが揃うほか、中盤もボールを保持でき、文字通りのいいゲームができる要素はある。勝点3を掴みにいく賢いゲーム運びにも注目して見ていきたい。

栃木は3試合続けて九州のチームとの対戦となっており、今節がそのラスト。アウェイでの長崎、ホームでの熊本ともに1−1で引き分けるなど白星を手にできず、勝利を渇望して北九州入りすることになる。栃木のJFLからJ2への昇格時に指揮を執っていた現・北九州の柱谷監督は「思い入れのある相手。(栃木時代は)最初の半年は特に環境も意識面でも大変だった」と振り返りつつ、「今は一人一人が強いチーム。攻撃面で特徴を持った選手が多い」と分析する。
先制点を献上する試合が多い点は栃木にも共通しているが、北九州と異なっているのは同点にはできていても追加点を奪えていない点だ。背景には人数を掛けられずに単発で終わる攻撃が多いことも理由に挙げられるだろう。前節の熊本戦でも先制点を献上。カウンターで同点にしているが、組織で攻め崩したというよりは右ポストに当ててネットを揺らした湯澤洋介のシュート精度が際立った。柱谷監督の警戒するポイントのとおり個の打開力には秀でているだけに、先制点を渡さないことや組織的なサッカーを展開することなど、原点を見つめたゲームマネジメントができれば勝機を見出すことも可能だろう。

さて、すでに告知にもある通り、この試合のスタグルエリアでは餃子の香りが僕らにおいでおいでする予定。北九州市と宇都宮市の両地からご当地グルメ団体が出店し、味のバトル(?)を繰り広げる。ちなみに、栃木・宇都宮が餃子の街であることは知られていると思うが、製鉄城下町の北九州市八幡でも古くからスタミナ源として餃子が食べられてきた。JR八幡駅界隈を中心に名店がそろい、今年10月には「全国餃子サミット2014」の北九州開催も決まった。応援のエネルギーにもなる餃子。スタジアムに着いたらまずは餃子で味比べ、そしてお腹を満たしてゲームに集中といきたい。いつもと違った楽しみ方ができる本城での「新・餃子ダービー」へ、土曜日は胃を空っぽにして行ってみよう。

以上

2014.05.30 Reported by 上田真之介
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