18 位群馬が、横浜FCをホームに迎えて今季2度目の連勝を狙う。一方の20位横浜FCは6試合ぶりの勝利がタスクだ。両雄が勝点3差でぶつかり合うゲームは下位脱出をかけたイクサだ。
群馬にとって前節京都戦は、これまでの鬱憤を晴らす痛快なゴールラッシュだった。66分に小林竜樹が均衡を破る先制点を決めると、その5分後には青木孝太がこぼれ球をヘッドで押し込んで追加点。さらにはダニエル ロビーニョがダメ押しの3点目を突き刺して3−0で快勝した。攻撃の軸となる小林、青木孝、ロビーニョの3選手がゴールを挙げたことでチームはにわかに活気づく。小林は「これで満足したら順位は上げられない。横浜FC戦もゴールを決めてチームの力を証明したい」と連続ゴールを狙う。
前線の核弾頭となっているのはロビーニョだ。モヒカンスタイルが眩しい陽気なブラジル人アタッカーは気温の上昇とともにコンデションを上げて只今、絶好調。今月中旬にはブラジルから妻と1歳の娘が来日しプライベートも充実。26日にはケガでブラジルへ一時帰国していた親友エデルが再来日したことで気分はさらに上昇している。13節讃岐戦の今季初得点時には元日本代表・呂比須ワグナーをまねたゴールパフォーマンス、前節京都戦ではコーナーフラッグを使ったダンスを披露したロビーニョは「横浜FC戦でもゴールを決めてパフォーマンスをみせたい」とキックオフを待ちわびる。
ここまで3バックをベースに戦ってきた群馬だが京都戦では4バックを採用した。今季両システムを併用してトレーニングを重ねてきたが、今後は4バックへの比重を高めていくことが予想される。「1ボランチの3−5−2は体力の消耗が激しいので、夏場に向けて4バックの準備も進めていく」(秋葉監督)。今週も3バック、4バックの両布陣をテストしていたため、今節のシステムは蓋を開けるまで分からない。だが群馬のアグレッシブな戦いは普遍。黄誠秀は「どっちのシステムでもやるべきことは同じ。選手一人ひとりが役割を果たせば結果がついてくる」とゲームへ向かう。
横浜FCは崖っぷちの状況で正田スタ入りする。山口素弘監督3年目で結果が求められるシーズンだが、現在20位と低迷。開幕4戦こそ順調なスタートを切ったが5節以降は1勝2分8敗。前節千葉戦はドローに持ち込み5連敗こそ逃れたものの4試合連続無得点となっている。これ以上の停滞が許されない横浜FCにとって群馬戦は極めて重要なゲーム。正田スタでの敗北は、危険水域突入を意味する。
横浜FCをけん引するのは元群馬主将・松下裕樹だ。2年前、プレーヤーとして上を目指すために苦渋の思いで移籍を決断した松下だが苦しい状況に追い込まれている。彼が並々ならぬ覚悟を持って群馬戦に臨むことは確実。さらに調子に乗ると途方もない力を発揮する小池純輝、永田拓也の元群馬コンビが松下の脇を固める。群馬は、松下一派をひとまとめにして返り討ちにしなければならない。
群馬と横浜FCの通算対戦成績は群馬の6勝8分8敗だが、最近の対横浜FCホーム3戦は1勝2分で相性は悪くない。昨季は秋葉監督の初勝利を横浜FCからプレゼントしてもらっている。秋葉監督は「順位や状況を考えるとメンタル的にはうちにアドバンテージがある。相手の気迫をはね返して、サポーターに勝利を届けたい」と闘志をみなぎらせる。新潟時代のチームメイトだった群馬・秋葉忠宏監督と横浜FC・山口素弘監督の師弟対決、さらには松下、小池、永田という元群馬勢の来襲。多くの因縁が渦巻くゲームは、互いの意地とプライドをかけた上州バトルとなる。
以上
2014.05.30 Reported by 伊藤寿学
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