グループBの1位(甲府、勝点10)対2位(浦和、勝点9)の試合と言っても、甲府は消化試合が1試合多いので、負ければ4位の名古屋(勝点7)に抜かれる可能性もある首位。3−0で勝った前節の大宮戦に続いて、甲府は勝つしかないという状況は変わらない。引き分けると、「浦和が最終節も勝って、名古屋対柏(勝点8)が引き分けて…」とか、いろいろ他の対戦結果が都合よくいかないと決勝トーナメント進出は難しい。公式戦3連勝中で気分がいいが、直近の3試合のようにはいかないとことも覚悟して、ピッチもスタンドも粘り強く戦う必要がある。
ミニtotoの投票状況(5月27日午前)を見ると甲府の勝ちに投票している人が約22%、浦和の勝ちが約57%、引き分けが約21%。リーグ戦の順位では首位と14位なので、浦和の勝ちを買う人が多くなるのは当然だけど、悩むのは甲府が直近の公式戦3試合で3点、4点、3点と10得点・失点1で3連勝していることと、5月6日(第12節)の対戦では浦和が優位な内容だったものの甲府が退場者を出しながらも凌いで引き分けたことをどう予想に加味するか。ここ最近の浦和を直近の公式戦5試合で見ると4勝1分負けなし。10試合なら8勝1分1敗、6試合連続無失点中。強い…。1点差勝利がほとんどで、守備の堅さが印象的な結果。Jリーグ一番のビッグクラブ・浦和レッズを迎えるにあたって、甲府のことを”決定力がある”、”点が取れる”と言うのは気が引ける部分もあるが、3点、4点、3点と取っていることは誇りに思っているし、右肩上がり中の甲府が浦和と対戦するとどうなるのか非常に楽しみ。
甲府は両ウィングバックが高い位置を取り、裏を狙うことで、それを続けることができている。同時に、盛田を頂点とする中央の三角形もクリスティアーノが戦力化されたことで怖さと決定力を増している。ここまで取り組んできたことのいくつかが同時に成果に繋がってきている。浦和は国立の対戦の頃と比べると柏木陽介がシャドーからスタートしていることが違いだと思うが、あと2試合しか日本で見ることができない原口元気が先発するのかも気になるところ。(シュートは枠の外にお願いしたいけれど)ディ・マリア(Rマドリード)系の選手になれそうな原口の才能を山梨中銀スタジアムで見せてほしい。山梨の子供たちはいい刺激を受けるはず。国立の対戦時は3−4−2−1のシステムは同じでもその運用方法はだいぶん違ったが、今の甲府は前からボールを奪い返しに行くことも多くなっている。槙野智章の攻撃参加を減らせるのか、サイドの攻防がどうなるのか、奪い返したボールから何度も決定機を作れるのか、(頭の奥では、厳しい戦いになる…とゴーストが囁くけれど)ワクワクする想像ができる。
盛田剛平は、「国立の時は『レッズ強いなぁ〜』って思ったからね。でも、今の甲府の勢いでどうなるか楽しみだし、いいゲームをしたい。こういうモチベーションで挑めることが幸せ」と、37歳のオッサンは少年みたいに浦和戦を楽しみにしている。こういう感じは甲府の強み。城福浩監督は、「ここまで大抵のチームに対してはシュート数で上回る、被シュート数が少ない、という(試合内容に対する)手応えはあります。ただ、浦和が手ごわいという印象は選手も僕も同じ。敗れた神戸や川崎Fよりも、チームとしての強さを一番感じさせられたのがレッズ。『グループリーグ突破が懸かる試合が一番強い浦和か』という思いもあるが、グループリーグ突破という成果を手にできれば後半戦の確信になる。みんながそう思える試合にしたい。夢を語るにはまだ早いが、(グループリーグ突破は)チームの背中を押してくれる一番の材料になる」と言う趣旨の話を大宮戦の翌日にしてくれた。ワールドカップの中断期間に入るのことが勿体ないと思うほどの直近3試合の内容と結果だけに、勝って城福監督に夢を語ってもらいたい。そのためにも水曜日の夜、多くの甲府ファン・サポーターに山梨中銀スタジアムに来てほしい。そして、ため息はどんな時も封印して、いいプレーを声と拍手で後押ししてほしい。今の甲府に、ファン・サポーターの強い後押しがあれば、山梨では一度も勝ったことがない浦和相手に偉大な勝利を挙げることができるはず。J1リーグで下から2番目くらいの年間予算でよくやっているクラブ・選手をみんなが支えることで、彼らは熱いパッションで応えて、まだ見たことがない世界を見せてくれるはずだ。
以上
2014.05.27 Reported by 松尾潤
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