徳島がヤマザキナビスコカップで得たいものは何より組織としての成長だ。もちろんプロフェッショナルとしてこのステータス高いカップ戦に臨んでいる以上、結果にこだわり勝利を追い求めなければならないが、それでもやはりプライオリティを置いているのはリーグでのJ1残留。そのことを考えたなら、チームはこの実戦の場を必死の姿勢で大事に戦い、何としても全体のレベルアップを図っていかなくてはならない。
そしてこの一戦でもそれを追求するために大切なものは、これまでと変わりなく、積極的なチャレンジであろう。選手たちにはそれを強く出したプレーが大いに求められる。
特に攻撃に関しては、小林伸二監督からもよく「怖がらずに」というフレーズが聞かれるように、チャレンジこそが成長に繋がると言って間違いない。個々の閃いたアイデアやイメージ、グループでの大胆な動きや連携などを臆することなく相手守備にぶつけたなら、もしそれが成功しなくてもきっと次へのヒントを手に出来るはず。チームとして確かな成長を掴むために必要なものが必ず視界に見えてくるであろう。
事実、24日の名古屋戦前半ではチャレンジする形がいい流れを作り、ゴールという結果にまで結び付いている。まず奪った得点は他でもない、右サイドで廣瀬智靖が果敢に仕掛けたドリブルからのセンタリングで生まれたし、その直前の津田知宏がGKと1対1になった惜しい場面も花井聖が思い切って狙ったロングスルーパスがキッカケ。さらに、背負うマーカーを恐れることなく体を張ってボールを受け続けたキム ジョンミンの勇敢なポストプレーは、何度も前線の起点となって次の展開へ繋がっていた。
ターンオーバー的に先発を大きく変えていることから、徳島のそれには今節も少なくない変更があるのではないかと予想される。しかし、挑めるヤマザキナビスコカップはあと2戦だけ(これまで全敗ですでに予選リーグ敗退が決まってしまっているため)。それを戦い終えれば暫くの中断期間を挟んだ後待ったなしのリーグ再開となり、そこでは未だ勝点4にとどまる現状から簡単には負けられないシビアなゲームが続いていく。だからこそ、誰がピッチに立っても挑戦意欲に満ちたプレーを徹底し、徳島は是が非でもここで確かな成長を刻んでおかなければならない。
さて対する大宮に関しても、成長を必要としているのは同じと言えよう。この大会では徳島同様まだ白星を挙げられていないし、恐らくこちらもより重要視しているであろうリーグでも第5節以降の10戦で勝利は僅かに1つ(第12節・F東京戦)。それによって順位もJ2降格圏の17位にまで沈んでしまっている。しかしながら今後への明るい材料がひとつもないわけではない。大熊清監督も甲府戦後の会見で「気持ち的には1点取りに行くというところで何人かはリーグ、ナビスコに繋がりそうないい所を見せていた選手がいたので、リーグ、ナビスコに活かして行きたい」と口にしていたが、途中投入された長谷川悠や泉澤仁などは今チームに必要と思われるアグレッシブな姿を体現していた。
それだけに、この一戦でも彼らが牽引役となるプレーを披露して組織全体に刺激を与えることが出来れば、大宮は前へ進む活性をきっと取り戻せるに違いない。浮上のための成長を改めてスタートさせられるだろう。
以上
2014.05.27 Reported by 松下英樹
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