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【J2:第15節 岡山 vs 長崎】レポート:球際で激しくやり合ったミラーゲームを制したのは岡山。長崎はボックス内の「あと一歩」が及ばず。(14.05.25)

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「どつき合いみたいな試合でした。やっぱりそういう試合で負けちゃいけないなと」。これは試合後の岡山・田所諒の言葉だ。球際で激しく戦いながらスコアが動かなかった前半を経て、67分から70分の、たった4分弱の間に3つのゴールが決まった。勝利を掴んだのは岡山。岡山・影山雅永監督は、「運というとふわっとしてものを掴むか掴まないか、みたいな話に聞こえるかもしれませんが、スタジアム全体で勝点3を掴めたのかなと思います」、長崎・高木琢也監督は「我々とすると本当にアンラッキーなゲームだったと思います。それは岡山さんがサポーターの中で攻める、という雰囲気があったのかもしれない」と話した。

岡山は前節・岐阜戦と同じメンバーで臨んだ。長崎はトップに、今季初スタメンで2試合目の出場となった水永翔馬、左ワイドに同じく初スタメンで6試合目の出場の中村祐哉、GKは前節から2試合目の中村隼。またボランチ、シャドー、3バックの左右も前節とは替えてきた。長崎は前線の高さを生かしたロングボールを多用し、これに対して岡山は、「集中してセカンドボールを拾いまくろうじゃないか、一発で入れられることはほとんどないので。という話はしていました」と岡山・影山監督。

岡山のセカンドボールへの意識は高く、最終ライン左右の鎌田翔雅、田所は高さには欠けても、身体をうまく寄せて粘り、中盤の選手は味方が弾き返したボールをことごとく岡山のボールに変えていった。しかし前半は、長崎がより決定的なシーンを作った印象だ。35分には、左の中村祐が縦のボールを送り、奥埜博亮が角度のないところから柔らかなシュートを放つ。これは岡山・中林洋次がファインセーブ。前半の終わりには岡山が相手ゴールに近づくが、わずかな躊躇もあってか勢い良くシュートで終わることが出来なかった。

67分にオウンゴールが生まれるまでの数分間は、スタジアムの岡山側の手拍子がどんどんと高まっていた。それは岡山・片山瑛一がDFをかわしてドリブルで前へ運び、長崎・黒木聖仁がファウルで止めたあたりから。FKのこぼれ球に走る三村真らのプレーに対して、手拍子はさらに大きくなる。そして最終ラインの鎌田から右の田中奏一とつないだボールを、片山がスピードを上げて右サイド高い位置からクロスを送る。これをDF山口貴弘がクリアミスしてオウンゴールの形で岡山が先制。岡山の勢いは続き、前線に上がっていた島田譲がCKを得ると、上田康太のキックからゴール前の清水慎太郎のヘッドという、第10節山形戦、第12節福岡戦に続く、このひと月で3度目の形で2点目奪取に成功する。

しかし大きな意味を持つはずの追加点に酔うことは出来なかった。その2分後の70分、今度は長崎が岡本拓也のCKから下田光平が頭で決めて1点を返す。流れとしてはどちらに傾いてもおかしくなかった。しかし岡山は危機感を強めながら攻撃にも出て応戦した。80分には途中交代の山田晃平からのクロスに水永がぴたりと合わせ、鋭いヘディングシュートを放つが、岡山・鎌田が身体を寄せていたこともあり、右に逸れる。最後まで両チームとも仕掛けたが、2−1のスコアを保って、岡山がこのタフなゲームを制した。

GK中林洋次によると岡山の最終ラインは、「自分たちに出来ること、出来ないことがはっきりとしているから、サポートする側も明確になっている」という。身体を張ってクリアしてこぼれる、そのこぼれ球には誰かが詰める、という岡山のシステムが素晴らしく機能していた上、「出来ること」のひとつとして、田所のロングパス、鎌田のクロスなど、最終ラインが起点となる動きも目立ったゲームだった。

長崎は、狙いは出せたが「ゴールへの最後の、最高のパスがなかなかうちには出来ない。これが点を取れないということだと思います」と高木監督。岡山は7戦負けなしで順位も上がったが、「まったく意識もしていないし、感慨もないです。(中略)次の試合に向けて準備をするだけだと思っています」と影山監督。次節への楽しみを増やした、熱いゲームだった。

以上

2014.05.25 Reported by 尾原千明
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