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【J2:第15節 栃木 vs 熊本】レポート:前半は熊本、後半は栃木。45分ずつを仲良く分け合い、痛み分けのドロー決着に。(14.05.25)

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自発的に目を覚ますのではなく、相手に叩き起こされてから目覚める。栃木は前節の長崎戦(1−1)に引き続き先行を許しながら、辛くも同点に持ち込んで勝点1を得た。しかし、これで4試合続けて相手に先制点を与えたことになる。前節からわずかでも前進したのか、それとも全く変わっていないのか。勝点1の評価は非常に難しく、大半の選手が試合後に複雑な表情を浮かべていた。アウェイで掴んだ勝点1を元手に、ホームで勝点3を挙げる。残念ながらそのチャレンジは失敗に終わった。

「ミス絡みで相手にセカンドボールを拾われ、そこで落ち着いてやらないといけないのに、みんなが空回りしてしまった。よく1失点で済んだなと思っている」。

前半を振り返ったキャプテン廣瀬浩二の口を突いたのは、ネガティブな言葉ばかりだった。それほど前半の内容は芳しくなかったのだ。その引き金となったのは、開始早々に自陣深いところで起こったビルドアップでのミス。出し手と受け手の呼吸が乱れ、かっさらわれたボールからサイドを深くえぐられてしまったのだ。これで弾みが付いた熊本はブロックを作りパスを引っかけ、奪ったボールを縦に素早く運んだ。球際でも持ち前の強さを発揮し、リズムを掌握する。

対照的に、栃木はボールの失い方が悪く、フィニッシュで完結できないシーンを繰り返した。悪い流れをより一層、悪くしたのは、25分のチャ ヨンファンの緩慢なプレー。GK榎本達也へのバックパスが甘く、それを齊藤和樹に食われる。ここはGK榎本のフォローで事なきを得るも、その直後の29分に失点を喫してしまう。セカンドボールを拾われ、サイドチェンジとパスワークから完璧に崩された。

微塵も躍動感が感じ取れなかった前半から一転、ハーフタイムを挟んだ後半は栃木がリズムを掌握した。セカンドボールワークで奮闘したことが流れを引き寄せた要因であり、クロスボールが弾き返されてこぼれたボールを小野寺達也が回収したことが同点弾を生んだ。果敢に前に出て球際で競り勝ち、「間接視野で湯澤が見えたのでパスを選択した」と小野寺。カットインした湯澤洋介は、右足で巻いたシュートから嬉しいリーグ戦ホーム初ゴール。追い付いたことで一気呵成に攻め立てた栃木は、後半の頭から登場した鈴木隆雅、小野寺、湯澤に決定機が巡って来た。いつゴールネットが揺れてもおかしくなかったが、最後の部分の質が不足したことに加え、GK畑実の好守にも阻まれ、その「いつ」が訪れることはなかった。

先制しながらも追加点が遠かった熊本だが、前半は栃木のストロングポイントである右サイドバック・山形辰徳を守備に回らせるゲームプランを完遂。思惑通りに事を運んだだけに、防戦一方だった後半の45分が悔やまれる。先制弾の養父雄仁は、「前半の試合を監督も言っていたように、1分でも2分でも長くやることが、これからの課題になってくる」と話し、局面での激しさを継続させることの重要性を強調した。前半の収穫と後半の課題を、次節に活かせるようにしたい。

追い付きながらも追い越せなかった栃木は、やはり先制点を奪われていることが悩みの種。克服できずにいる課題をクリアしなければ、今後、上を目指すのは難しくなる。同点に追い付く“挽回力”が身に付いた上に、2014年のリオデジャネイロオリンピック代表を狙う鈴木隆雅がジョーカーとして目途が立ちそうな気配も漂わせてきた。少なくない収穫だ。ただし、悲しいかな、ここ2試合とも劣勢の状況で鈴木隆は起用されている。次の北九州戦では相手を突き放す、あるいは0−0を1−0にする場面で使いたいし、使えるようにしなければならない。そのためには、最低でも前半を無失点で折り返す必要がある。指揮官はまだそこまで求めていないが、トライする価値はあるのではないだろうか。

以上

2014.05.25 Reported by 大塚秀毅
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