決勝トーナメント進出に向けてともに負けられない一戦は、浦和が1-0で新潟を下した。88分、途中出場の浦和・関口訓充のクロスが新潟DFのクリアミスを誘い、オウンゴール。これが決勝点になった。アウェイの浦和サポーターから大歓声が挙がった。ピッチ上では、浦和のメンバーが控え目に喜び、新潟の選手たちは無表情でリスタートに備えた。
浦和は88分、矢島慎也がペナルティーエリアから下げたパス受けた関口が、右サイドから速いクロスを入れる。新潟のDF大野和成がへディングでクリア。これがバックヘッドの形になり、そのままゴールマウスへ。「狙い的にはDFの裏だった」と関口。ファーサイドには柏木陽介が走り込んでいるのが見えていた。相手守備の頭を越すイメージで入れたボール。結果的にオウンゴールだったが、思惑に沿った流れだった。
浦和にとっては厳しい試合展開だった。前半から新潟のプレスに苦しめられ、苦労して出したパスも奪われた。そこからカウンターを許し、攻め込まれる。それでも決定的な場面は与えなかった。バイタル付近では体を張ってブロック。相手のパスのリズムが崩れたところを逃さずにカット。そして逆襲に転じた。
後半は支配される時間が長かった。後半に放ったシュートは2本。それでもボールを回し続けようとした意識が決勝点につながった。「主導権を握られて、攻撃をされる回数は少し多かったと思う。ただ、大事な場面ではしっかりとブロックに行けていた。決定的なシーンはそれほど作らせなかった」。浦和のペトロヴィッチ監督は選手の集中力をたたえた。
「こういう試合を勝てたのはチームが調子がいいから」。栢木陽介が言うように、リーグ戦首位の勢いがそのまま出た試合。苦しみながらも大きな白星を手にした。
新潟は不完全燃焼に終わった。奪われたのはオウンゴールだったが、最も重傷だったのはシュートに対する意識だった。失点の前、相手ゴール前に攻め込んでいた。左サイドボールキープし、田中亜土夢がクロスを入れる形を作った。クリアされた後は小泉慶が裏へ抜けたがオフサイド。攻めていた。だが、シュートを放つことはできなかった。失点はその後のリスタートからの流れだった。
後半のシュート数は浦和と同じ2本。ボールの支配では新潟が圧倒していた。後半だけで6度のコーナーキックを得ていた。チャンスの数は多かった。それでもシュートにつながらない。「シュートを打てるのに味方にパスをしている。シュートミスが怖いのだったら、サッカーをやめた方がいい」。新潟の柳下正明監督はアグレッシブからはほど遠いプレーを嘆いた。
プレスをかけてボールを奪い、そこからカウンター。狭いスペースでは細かくボールをつないで裏を狙う。チームの形は出来ている。だが、最も大事なシュートの場面で勢いを失う。丁寧に得点につなげようという意識が裏目に出た。田中達也は「点を取れなければこうなる。勝点3が何より大事」と厳しい表情で言った。そして「やってきたことを続けて行くしかない」。
新潟は自力での決勝トーナメント進出がなくなった。残り1試合、確実に勝点3を挙げることが生き残る唯一の手段。浦和は次節甲府戦に勝てば進出が決まる。試合の明暗が、そのまま予選の前途にリンクする結果になった。
以上
2014.05.25 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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