J1リーグ戦第14節から1週間で再び迎えた『ガンバ大阪 vs F東京』戦。
前回の対戦では開始1分という早い時間帯にF東京のFWエドゥーが先制したが、この日、先制点を挙げたのは、G大阪のFW宇佐美貴史だった。前節の鹿島戦は右太もも裏に違和感を訴えたため欠場となったが、1週間ぶりにピッチに立つと前線で躍動。13分にユースの同期、MF大森晃太郎からパスを受けると、右に流れながら巧くコースを作り、ペナルティラインのやや外の位置から豪快に右足を振り抜く。以前、「自分らしいバチンとジャストミートするシュートが打てていない。それが打てるようになればフィットしてきたというひとつのバロメータになる」と話していていたFW宇佐美だったが、まさにその『バチン』と音が聞こえるようなインパクト、弾道でのゴール。つまりはFW宇佐美の完全復活を告げるべくゴールでG大阪がリードを奪う。
ビハインドを追う展開になったF東京は、11分にMF太田宏介の直接フリーキックがバーに嫌われて以降、なかなかシュートチャンスを見出せずにいたが、失点を喫したことで攻撃が加速。前への意識を強めると33分、右サイドのFW渡邉千真からのクロスをFW平山相太が落とし、そのこぼれ球をMF羽生直剛が相手DFを背負いながらパスを出すと、決めたのはDF徳永悠平。ゴール前での連動した動きからF東京がゴールを奪い同点に追いつく。
これで勢いづいたF東京はその後も前がかりに試合を展開。MF高橋秀人を中心にうまくボールを散らしながら、枚数をかけてG大阪ゴールに襲いかかるが、G大阪の堅守を切り崩すにはいたらない。試合終了間際には直接フリーキックを左ゴール前でFW平山相太が頭であわせるも、右ポストを叩いて得点にはならず、1−1で前半を折り返す。
ともにメンバー交代なく迎えた後半。「勝負はこれから、気持ちの勝負!」という長谷川健太監督のゲキに送り出されたG大阪イレブンは、立ち上がりから攻撃への姿勢を強めた中で、53分、再びFW宇佐美の右足が炸裂する。ゴール前、MF阿部浩之とのワンツーから前線に抜け出すと、相手DF3人のマークを右に交わしたFW宇佐美は素早く右足を振り抜き、G大阪サポーターが陣取る目前のゴールへ追加点を叩き込む。
この状況にF東京マッシモ フィッカデンティ監督が動き、FWエドゥー、FW河野広貴というFWを二枚同時に投入。反撃に出ようとするが、流れは相変わらずG大阪。FWリンスが投入されて以降、ボランチにさがったMF倉田秋が中盤でいいリズムを作り出しながら攻撃の姿勢を強めて行く。そんな中、68分、右コーナーキックを頭であわせたのはチームきっての長身、DF西野貴治。MF倉田のキックの精度もさることながら、頭ひとつ高く飛んだDF西野のヘディングも精度が高く、3点目のゴールが決まった後に、チームメイトから手荒く頭をバシバシと叩かれる祝福をうける。
ホーム戦とは逆に3失点を喫しF東京だったが、攻撃の顔ぶれを代えてもなかなか効果的な攻撃を仕掛けられない。前回対戦時には2得点をあげたFWエドゥーもボールに触る回数が少なく、リズムを取り戻しきれないまま試合が進む。アディショナルタイムに入ってから、ようやくFW武藤嘉紀やFWエドゥーがシュートを放つも精度を欠いてゴールは奪えない。結果、リーグ戦での借りを返すべくG大阪が3−1で勝利を飾った。
この結果を受け、G大阪は勝点を12に積み上げグループ首位に。次節、引き分け以上でグループリーグ突破を決められる。
以上
2014.05.25 Reported by 高村美砂
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