試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、場内は割れんばかりの拍手と声援が飛び大歓声に包まれた。J2開幕から2か月あまり。暗く長いトンネルを抜け、讃岐が富山に対し2−1で勝利し、記念すべきJ2初勝利を手に入れた。
試合は立ち上がりから讃岐がボールを支配する。試合開始2分、持留新作のミドルシュートを皮切りに、高さのある藤井航大のヘディング、ミドルレンジから放った高木和正のシュートなど、積極的に相手陣内にどんどん攻め入るシーンが多く見られた。
しかし富山の安間貴義監督は、その動きを読んでいた。「前半から讃岐は積極的に来る。群馬戦、愛媛戦と見てきたので動きはスカウティング通り」と会見ではそう語ったがそのスカウティングが見事的中。26分、やや前のめりになった讃岐からボールを奪うと、そこから一気にカウンターを仕掛け、中央から右サイドの木村勝太に展開。そこからのクロスをゴール前に詰めていた苔口卓也が右足で合わせ富山が先制。前半から仕掛けてくる讃岐の一瞬のスキを突いた攻撃が決まった。
しかし今日の讃岐はここからが違う。34分、コーナーキックからのセカンドボールを持留が拾い、左からクロスを上げる。それをソン ハンキが競り合いながらも頭で押し込み1−1の同点に。「頭の横に当たって、決まったかどうか最初は分からなかった」とソンは話したが、ゴールと分かった瞬間、満面の笑みでガッツポーズ。自身としても嬉しいJリーグ初ゴールとなった。
そして後半に入り1−1で迎えた77分、左サイドに展開するアンドレアを2人がかりで潰しにくる富山。その相手を物ともせずゴールラインギリギリのところクロスを上げると、途中出場の岡村和哉が頭で合わせ勝ち越しゴールを決めた。
決勝ゴールを決めた岡村は「今日はスタメンでは無かったが、得点することを意識していたので、しっかり決められて良かった」と語った。またアンドレアからのクロスに対しては「あれはアンドレアとチームメイトにしか分からないタイミング」と話したが、トレーニングで培われた技術と信頼関係が生んだ見事なゴールだった。
勝ち越された富山は、村松知輝を投入しディフェンスの裏を狙う戦術を取ったが、得点には結びつかず、結局2−1で讃岐が勝利し勝点3をゲット。今シーズン初勝利を飾った。
北野誠監督も「長かったですけどようやく1勝できた。ようやくJリーグが開幕したような気分です」語った。また「今日は2得点ともスカウティング通りだった。分析なども頑張ってくれた」と続け、チーム全員で勝てた試合である事を繰り返した。
対する富山は苦手のセットプレーから同点に追い付かれるなど、最後まで流れ掴みきれなかった。これまで後半に奮起していた攻撃陣も機能せず、悔しい敗戦となった。ただ、先制点を奪ったシーンは流れるようなプレーが見られ、スキを突く判断とその継続性が生まれれば、どこのチームにとっても脅威になるはずだ。
しかし両チームとも順位に変動は無く、状況はあまり変わっていない。ここから上位を目指すには次節の試合がもう一つのヤマ場になるだろう。改めて勝つ難しさを知った讃岐と富山。一喜一憂する今の状況を打破できるよう、勝点を積み上げるのが今後の課題となるだろう。
以上
2014.05.25 Reported by 小谷秀斗(オフィスひやあつ)
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