ヤマザキナビスコカップ、グループリーグ第４節から中２日で迎える今節。ガンバ大阪は再びホーム・万博記念競技場の地にＦ東京を迎える。Ｆ東京といえば、５月17日に行われた中断直前のＪ１リーグ・14節の戦いで０−３と完敗を喫した相手。試合内容は決して悲観するものではなかったが、試合開始わずか３分間で２失点を喫したことが最後まで戦いに影響し、結果、敗れた。それだけに「Ｊ１リーグでの借りを返す」という思いでピッチに立つ選手も多いはず。事実、MF阿部浩之は「ただ負けただけではなく、失点したシーン以外はガンバが試合を支配した中で敗れただけに、余計に立ち上がりの失点が悔やまれた。今一度、チームとして集中して試合に入ることはもちろん、鹿島戦のように先制することができたら絶対に勝てる。全員で気持ちを揃えて臨みたい」と意気込みを語る。しかも、今節はホームスタジアムでの一戦。連戦が続く中で２試合続けてホームで戦えることを味方につけ、白星で一気に『グループリーグ突破』の可能性を引き寄せたい。
「ここ２戦、ホームで試合ができる。過去のカップ戦の予選突破の数字からも12をとれれば限りなく突破に近づけるからこそ、東京戦を獲ってまずは勝点12にすることで他のチームにもプレッシャーをかけたい（長谷川健太監督）」

ガンバ大阪は４節の鹿島戦で、日本代表二人をはじめ、ケガによりFW宇佐美貴史が戦列を離れるなど厳しいチーム事情の中で白星を死守。勝点を９とし、首位タイの勝点で２位に浮上した。この結果、今節、Ｆ東京に勝てば予選突破の可能性をより大きく引き寄せられる状況に。次節は仙台に移動してのアウェイ戦と考えても、今節、ホームの地できっちり勝点３を奪いたいところだろう。
注目はＪリーグ14節の同カードで３失点を喫した守備陣。もちろん、失点は守備陣だけの問題では決してないが、どの試合においても、どんな失点の仕方であっても、常に『失点』に対する責任を背負うのが守備の選手だと考えても、彼らの今節に懸ける思いは間違いなく強い。実際、Ｆ東京戦の直後に行われた先日の鹿島戦でも一方的に攻め込まれる時間が多い中でそれは感じ取れたし、彼らの思いが同じピッチに立つ仲間へと伝播したことも白星を引き寄せた勝因のの１つとなった。
それは今節のＦ東京戦も同じだろう。守備陣を中心に、全員が守備意識を高く備えた戦いを展開した上で、攻撃ではＪリーグのＦ東京戦で示したような勢いの再現といきたいところ。ケガからの復帰が濃厚で、出場となれば今季のヤマザキナビスコカップ初出場となる宇佐美のカップ戦初ゴールにも期待したい。
「試合の入り方はもちろん、鹿島戦のように全員が気持ちを揃えて、90分を自信を持って戦いたい。鹿島戦は我慢する時間は長かったけど、そこをしっかり我慢して少ないチャンスを確実にものにできたことで結果をとれたし、自信を持てる試合になった。だからこそ、次の東京戦が大事になる。ましてや前回０−３で負けた相手と考えて結果を求めてしっかり戦いたい。（DF岩下敬輔）」
「リーグ突破とか、決勝トーナメントどうこうではなく、Ｊリーグでああいう結果になった相手。その悔しさをしっかり返せるようにい。苦手意識とかなく、ただ、ただ、しっかり勝つというイメージで臨みたい（宇佐美）」

Ｆ東京は中断前のリーグ戦でＧ大阪に大勝し、上り調子でヤマザキナビスコカップ第４節の清水戦に臨んだが２−３と惜敗。攻守に連動性を欠いた、今ひとつリズムに乗り切れない試合展開となる中で、FWエドゥーに２ゴールが生まれるも、それ以上の失点を喫し敗れた。その結果はもちろん、選手たちの多くが試合内容の物足りなさを感じ、肩を落としていただけに、中２日という短い準備の中でどのくらいチーム力を回復させ、組織としての戦いを取り戻せるかがカギ。Ｆ東京も、Ｇ大阪と同じく、GK権田修一やDF森重真人という日本代表二人の戦いとなる中で代わってチャンスをつかんだ選手の奮起に期待したい。

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2014.05.23 Reported by 高村美砂