早いものでJ2はリーグ戦の3分の1を消化。序盤戦を終えて、今節から、いよいよ中盤戦に入る。ここまでのJ2は、開幕以来勝ち続ける湘南を除けば大混戦。特にJ1昇格プレーオフ圏内を争う戦いは、6位の水戸から12位の福岡まで勝点3差の中に7チームがひしめきあい、13位以下のチームも僅差で上位を窺っている。例年、最終節まで混戦が続くのがJ2だが、その激しさは更に増しているようにも思える。そして迎える中盤戦。J1昇格、あるいはJ1昇格プレーオフ進出をかけてのサバイバルレースに生き残るための重要な戦いは続く。
その戦いに求められるのは、ただ勝点を積み上げることだけではない。中原秀人(※今節は出場停止)は話す。
「大切なのは内容。序盤戦を振り返ると、いい内容が続かなかったり、あるいは、結果は出ているけれども内容が伴わないために、次の試合では結果も出ないし、内容も良くないという試合が多くあった。結果はもちろん大事だが、その前提として、やりたいことを、どれだけやれたのかが大事。それがなかったら上位へはいけない」。
おそらく、昇格に向けてのサバイバルレースはリーグ終盤まで続く。その時までにチームの成熟度を上げながら勝点を積んでいくこと。それがサバイバルレースに生き残る唯一の方法だ。
さて、アグレッシブで攻撃的なサッカーを志向する福岡だが、序盤戦のスタッツを見ると必ずしも、それは数字には表れていない。放ったシュート数134本はJ2で12位、奪った18得点はJ2で9位と平凡な数字にとどまっており、その反面、被シュート数163本と、その結果である21失点は、J2で19位と低迷している。実は、ここに福岡の課題がある。ここまでの戦いを見ると、自分たちのリズムで戦う時間帯はアグレッシブなサッカーを展開するのだが、ひとたび相手のリズムになると、互いの実力差に関係なくズルズルと波に飲み込まれてしまい、前後半で全く違うチームになってしまう傾向にある。その落差の大きさが、印象とは違うスタッツとして表れていると言っていいだろう。シュート数の少なさは、クロスや、ラストパスの精度の低さにも起因しているのだが、最大の問題は、90分間を通して自分たちのサッカーを表現できないことにある。
一方、第15節の対戦相手である山形のスタッツ見ると、やはり、そこには山形の課題が見えてくる。被シュート数126本(同5位)、失点13(同7位)という数字は印象通りのものだが、問題はシュート数と得点の関係。放ったシュートは173本とJ2では2番目の多さを数えながら、奪った得点14はJ2では13番目。ディエゴ、中島裕希らをはじめ、前線には経験と実績のあるタレントを擁するが、決め切れない試合が続いており、それが、4勝6分4敗という成績にとどまっている理由だ。石崎信弘監督も、「14試合で14得点。得点の少なさというところ。そこをどう改善していくかがポイント」とチームの課題を話している。
そして迎える第15節、レベルファイブスタジアムに乗り込んでくる山形も、ホームスタジアムで迎え撃つ福岡も、それぞれが直面する課題を修正し、いかに結果に結びつけるかが問われることになる。
福岡にとってのポイントは、受けに回った時にどのように対応するかということ。押し込まれた時の対応策が明確ではなく、チームとしての統一感が失われてしまうのが、ここまでの傾向。相手のリズムになった時に、前へ出ることで相手の勢いを消しにかかるのか、それとも、ブロックを敷いて守るのか、その意思統一を図りたい。また、両SBの裏のスペースをどうやってカバーするのかも、はっきりさせておきたいところだ。
山形にしてみれば「決め切るだけ」ということになるだろう。確かにゴールという結果には結びついていないが、スタッツそのものは悪くない。前述の通り、前線には実績と経験のあるタレントを擁しており、きっかけさえ掴めば一気に流れが変わる可能性は高い。また3試合連続で引き分けているとは言え、リーグ戦で最も大切なことは負けないということ。そういう意味では4戦負けなしとも捉えられる。抱えている課題は福岡とは質が違うもの。福岡は心して戦わなければならない。
両監督の采配も含めて、チームが課題とどのように取り組むのか、それをどのように表現するのか、そして、どのようにして結果を手に入れるのかが注目される試合は、24日(土)16:00にレベルファイブスタジアムでキックオフされる。
以上
2014.05.23 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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