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【ヤマザキナビスコカップ 神戸 vs 鳥栖】レポート:神戸が“結果と底上げ”の二兎を追い、二兎を得た。鳥栖は終盤に追い上げたが、二兎を得られず無情の笛。(14.05.22)

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神戸・鳥栖ともに予選Aグループで2敗し、決勝トーナメント進出へ望みをつなぐには絶対に負けられないという中で、この一戦を迎えた。その中で、直近のリーグ戦から神戸はスタメンを3人、鳥栖は2人を入れ替えた。過密日程への考慮もあるだろうが、もう一つの狙いとしては今後を見据えた選手層の底上げもあったと言える。両者とも“結果と底上げ”という二兎を追う一戦となった。

そういう視点で監督会見を比較すると、非常に興味深い。
神戸の安達亮監督は直近のリーグ戦から代わって入った選手について、次のように評価をしている。「代わって出た選手とか、ディフェンスラインは奥井が入って変わっていたりとか、ボランチの組み合わせ(橋本英郎と大屋翼)が初めてだったりしたんですけれど、その辺のところは、非常にファイトもしてくれましたし、いい活躍をしてくれたと思います。(中略:松村亮選手の評価について)特徴を出せる選手だと思うんですけれど、点も取れたし、ドリブルで打開するシーンもありました。ただ、取られてはいけないところで取られてしまったり…。そこが、まだまだ経験が足りないのか、判断が足りないのかなと思います。ただ、いい攻撃のアクセントになったと思いますし、1点も取ったし、非常に良かったと思います」。

一方、鳥栖の尹晶煥監督は先発起用した崔誠根をこう評価する。「彼に関しては様々なポジションを消化できるということ、運動量が豊富だということを考えて投入した。久々のスタメンということもあって緊張で固くなっているのが見て取れた。そういう意味で将来性はあると思います。でも、まだゲーム体力やゲーム経験が不足していると思います。そこを埋めて固めていければ、よりよい選手になっていくと思います」。
強引な言い方をすれば、神戸は好評価、鳥栖は低評価である。試合内容も、この評価の違いが示すように、鳥栖はボールロストが目立ち、いいリズムで攻撃を組み立てられなかった。逆に神戸は相手のミスをうまく自分の攻撃につなげて、ゲームの主導権を握っていった。その差が3−2というスコアにも表れたと言えるかもしれない。

試合が動いたのは42分。神戸の森岡亮太がドリブルから中央のマルキーニョスへパスを入れると、少しタメを作って左の松村亮へ展開。それを松村が持ち味の細かいステップで中央へ切り返しシュートを放った。なかなか出場時間の少ないリーグ戦の悔しさを晴らすような気持ちのこもった一蹴は、相手DFに当たりながらもゴールへと吸い込まれていった。松村はこのゴールシーンについて「Jリーグで得点を取りたいと思っていたんですけれど、なかなか取れていなかったので。こういうチャンスでしっかりチャンスを掴みたかったので、1点取れて、なおかつ勝てたのは良かったと思います」と晴れやかな表情を見せた。緊張で固くなることは彼には見られなかった。このゲームに関して、代わりに入った選手のメンタル面の違いは大きかったと言える。
その先制点の約2分後には森岡からの長いスルーパスで奥井諒が抜け出して決定的なラストパスをマルキーニョスにも出している。サイドからの崩しが少なかった神戸にとって、久々のスタメン起用に応えた奥井にも臆するところは無かったといっていい。ボールをさばきながら何度も前線まで攻め上がったボランチの橋本英郎にも同じようなことが言える。結果的に53分のマルキーニョスの技ありFKや、アディショナルタイム+3分の森岡の冷静なダメ押しゴールなど、個の力で3点を奪って勝ったように見えるかもしれないが、それ以外の部分で今日の神戸と鳥栖には違いがあったと言えるかもしれない。

鳥栖は金民友と豊田陽平を欠く中で、なかなか前線でも起点が作れず、全体的に二次攻撃、三次攻撃につなげることができなかった。チームとして、代わって入った崔誠根と早坂良太を生かすプレーができなかったという見方もできるだろう。途中出場の播戸竜二が89分とアディショナルタイム+4分にゴールを挙げるなど、バックアップ選手の層の厚さは証明できたが、結果と底上げの二兎は得られなかった。

この敗戦で、鳥栖は残り3試合で2位G大阪と勝点9差に。決勝トーナメント進出は厳しい状況になったが、安田理大が「決勝トーナメント進出の可能性がある限り、全力を尽くすべきだと思うし、それがプロだと思う」と話すように、まだ上のステージへ行けるチャンスはある。人事を尽くして天命名を待つのみだ。
神戸は、このヤマザキナビスコカップ今季初勝利で、7位から5位に浮上。首位の清水、2位のG大阪とは勝点6差。中2日で行われる清水との直接対決に勝てば、決勝トーナメント進出の可能性がぐっと高まる状況に。鳥栖戦で得た“二兎”を実りあるものにするためにも、清水戦は絶対に負けられない。

以上

2014.05.22 Reported by 白井邦彦
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