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【J2:第14節 長崎 vs 栃木】レポート:長崎が取り戻したアグレッシブサッカー 引き分けに終わるも、一歩前進。(14.05.19)

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第3節から続いた長崎の8試合負けなしは、いつのまにか5試合勝ちなしへと移り変わっていた。
どうも、スッキリしない試合が続く。やっているサッカー自体は、チームが目指すサッカーだ。敗れはしたが11節にはジュビロ磐田に善戦し、13節には京都を苦しめた。目指すサッカーが出来ているにもかかわらず、結果がついてこない。確かにそういう時期はどんなクラブにもある。もちろん課題がないわけではない。クロスやフィニッシュの精度や、ブロックを敷く必要がある場面も当然あるが、素早い攻撃に繋げるための前線からの守備が必要な時間帯も出来ていないなど改善すべき点もある。

いかにして復調のきっかけを掴むのか。おそらく勝利こそが最大の薬だということは誰の目にも明らかではある。そのためにチームが栃木戦に賭ける意気込みはこれまでのどの試合よりも大きかった。チームは勝利に飢えていた。当然のことながら先週1週間はかなり緊迫した雰囲気がチームに充満していた。怒号が響く事もあった。チームは14日には長崎日大高校と急遽トレーニングマッチを組み、「得点の形を思い出すような意味合いを込めた試合を行い、もう一度得点の感覚を確認することが出来た」(東浩史)。「チームには先制点を取れば勝てるという自信はある」(奥埜博亮)。だから、「栃木戦はまず守備を固めて先に失点しないこと」(山口貴弘)。おそらくそれがチームの共通したテーマだった。「風通しを良くするために」(高木琢也監督)先発メンバーも大きく変えた。GKにJリーグ初出場となる中村隼。DFには今季初出場の藤井大輔が出場し、エースの奥埜博亮はベンチに下がった。

これまでにない大きなチーム状況の変化に選手たちの目の色は変わっていた。試合の立ち上がりから全員が気迫を前面に出してプレー。ロングボールでダイナミックな展開を図った。古部健太がサイドを駆け上がり、黒木聖仁が長身を生かしたキープ力を発揮しでリズムを掴む。手数をかけない攻撃は迫力があったが、ここ数試合と同じようにゴール前の精度が低く得点を挙げられない。長崎の課題が出てしまう。「繋げる場面でもリスクを避けるために蹴ってしまい」(高木監督)、徐々に攻撃が単調になってしまった。

しかし47分、今季初出場の藤井が右のワイドの神崎大輔に配球。それを神崎が切れこんでシュート。零れ球が再び藤井の足元に転がると、右足一閃。誰もが待ちわびた先制点を栃木ゴールに突き刺し、スタジアムは大歓声に包まれた。後半の立ち上がりという時間帯も良かった。

ただ、その後は3連敗だけは避けたい栃木に火がつき、反撃に出る。セカンドボールを拾えるようになった栃木は再三、湯澤洋介がスピードに乗ったドリブルで長崎の守備陣を切り裂きチャンスを量産する。すると56分に長崎のDF陣はクロスで左右に揺さぶられ、山形辰徳の折り返しに完全にフリーになった165cmの廣瀬浩二が同点ヘッド。先制した藤井は失点にも絡んでしまう。「もっと人に寄せてほしい」と高木監督からの注文がついてしまった。

その後、両チームは選手交代などで活路を見出し、一進一退の攻防を繰り広げるもゴールが遠い。何度も両チームは追加点が奪えずにドローとなった。ただし、長崎にとってこの試合は待望だった先制点を取ることができた。高木監督は「(ここ数試合)流れに上手く乗れないながらも、(先制点を取れたことは)一歩前進した」と一定の手応えを感じていた。長崎が前半に見せたアグレッシブさは、是非とも次節の調子の良い岡山とのミラーゲームに繋げたい。また、栃木の阪倉裕二監督も「今季まだ先制点を取られて負けなかった試合はない。勝点2を失ったのではなく、勝点1を取れたと考えたい」と評価した。

どちらのチームから見ても勝てた試合だったと言える。確かにもったいなかった試合と感じるだろう。ただ、同時に、「先制点を取れた」「追いつけた」という今までになかった部分をクリアできたと考えた時、両チームにとって復調のきっかけになる試合内容だったことも事実だ。

以上

2014.05.19 Reported by 植木修平
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