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【J2:第14節 岡山 vs 岐阜】レポート:岡山がほぼ、理想的な展開でものにしたゲーム。岐阜は難波のゴールで意地を見せるも、反撃は1点どまり。(14.05.19)

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岡山の2つのゴールを決めたのは、最終ラインで踏ん張り続ける後藤圭太と、怪我から復帰したばかりで、09〜11年、岐阜でプレーしていた押谷祐樹。背景にもストーリーがたっぷりとあるゴールで、岡山が勝利を掴んだ。岐阜は2点リードされる展開から後半立て直し、難波宏明が素晴らしいボレーシュートを決めたが、1点を返すにとどまった。

岡山は前節・栃木戦のメンバーからシャドーのひとりを入れ替えてゲームに臨んだ。コンディションの良い妹尾隆佑を先発に起用したことも、スピードのある石原崇兆をゲーム終盤の切り札としたことも、このゲームの見通しを感じさせるものだった。岐阜はGKの時久省吾が今季初先発。また前節・水戸戦で右ひざを傷めたナザリトに代わってルーキーの田中智大がFWに、出場停止のヘニキに代わって宮沢正史が、また三都主アレサンドロも3試合ぶりに左SBに入った。怪我から復帰したスティッペは、第4節以来の出場となった。
ゲームの序盤から出足で上回った岡山。トップの清水慎太郎をターゲットにボールを集めながら、妹尾隆佑、片山瑛一のシャドー2人と、田中奏一、三村真の両ワイドが絡み、ボランチは島田譲が攻撃を組み立てて上田康太が後方にいる場面と、逆になる場面があり、攻守で統制の行き届いた戦いを押し進めた。セットプレーについても、ここまでFK、CKからだけでも2アシストの上田康太がショートで繋ぎ、再び受けてパスを送るなど、使い分けの意図が明確だった。そんな状況から岡山の先制点が生まれた。

前半11分、CKを得ると、一度下げたボールをキッカーの上田が作り直して、相手DFの背後に飛び出す片山瑛一にクロスを送る。これを片山がきっちりと落とし、妹尾がシュートしたボールに、ゴール手前で待っていた後藤圭太が合わせてゴール。先制に成功する。これまでのゲームで、決定機を作りながら決められず、流れが相手に傾くことは何度も経験しているだけに、ディフェンスリーダーの後藤が決めたことは巡り合わせのようにも見えた。「ラッキーでした」という後藤は、「価値のある1点だったと思います」とも話した。
前半24分には岐阜・スティッペがシュートに持ち込むがほんのわずかのズレでポールに跳ね返され、岐阜は同点に持ち込めなかった。岡山がチャンスを作り続け、「欲を言えば、2点、3点と取りたかった」(妹尾隆佑)前半を終え、後半に入ると岐阜は田中智大に代えて、ド ドンヒョンをピッチに送り込んだ。ドンヒョンが入り、難波が1トップ、高地系治がトップ下の位置に入ったことで岐阜の前線はなめらかに動き出し、ペナルティーエリア周辺からショートパスを繋いで岡山ゴールに迫る回数を増やしていく。

少し受け身になった岡山だが、カウンターから片山がドリブルで上がり、田中がシュートするシーンも作った。しかしこれは岐阜GK時久に阻まれる。そして岡山は後半18分、押谷祐樹を投入。怪我で戦列を離れていた押谷は4月13日の第7節・東京V戦以来の出場だったが、「ファーストタッチがうまく行ったので、すんなりと試合に入れた」と言う。24分、左サイドの高い位置で片山がキープしたボールを、上田に預け、上田はゴール正面で待っていた妹尾へ。妹尾がみごとな潰れ役となって左に落とすと、押谷が限定されたコースをかいくぐるシュートでみごとな「らしい」ゴールで追加点を奪う。岡山にとっては5月の爽やかな風のような2ゴールとリードだったが、このままではゲームは終わらなかった。

後半34分、岐阜は右SB益山司からの正確なクロスが難波に渡り、これを難波がトラップしてシュート。これは動きを読んでいたGK中林洋次の超ファインプレーに助けられる。しかしその2分後、再び左の益山が送ったクロスを今度は難波が決めきった。岡山は2点リードした後、引いて守る形を取っていたが、隙をつかれる形になってしまった。その後も繋いで崩したい岐阜と岡山の応戦は続いたが、追加点は許さず、ゲームは2−1で終了した。

このゲームで際立っていたひとつは、岡山のシャドー・妹尾隆佑の周囲を見極める力だった。必要な判断と勇気のあるプレーを繰り返す妹尾は2アシスト。さらに三村真の粘りとクロスで終える使命感も。そしてもちろん、岐阜・難波宏明の素晴らしいテクニックと気持ちも。難波は「後半、出来たことが前半から出来ないと」と話したが、その通りだった。

試合後の会見で岡山の印象を聞かれたラモス瑠偉監督は、じっくりと岡山というチームの良さを語った。それは日本のサッカー全体を見通しながら他のチームを見ていることを感じさせる内容だった。この監督に率いられるチームの今後は楽しみだ。

1万人以上がスタジアムで見守ったこのゲームは、最高に近い形のエンターテイメントにもなっていた。情熱が作り出す真剣な力のぶつかり合いの、エンターテイメントだ。

以上

2014.05.19 Reported by 尾原千明
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