連勝は3で止まったものの4月26日からの大型連休中の連戦を3勝2敗で勝ち越した北九州。川島大地が今季序盤で離脱するなど戦力が万全ではない中、「限られた中で乗り切ることができたのはチーム全体のビルドアップができていること」と柱谷幸一監督(北九州)は自信をみせる。1週間の準備期間を使えた今節、選手の「連戦疲れ」そのものは取れ、北九州としては結果、内容、フェアプレーの目指すべき3つを再び手にしたい。
前節東京V戦はイージーミスが続いてボールが繋がらず、リズムを掴みかけたタイミングで常盤聡(東京V)のロングシュートが決まり、結果的には決勝点となる先制点を許した(数年前からのサポーターであれば当時・北九州でプレーしていた常盤の、2012年8月の第29節対福岡戦を思い出したかもしれない)。ただ北九州が敵陣に押し込めていた時間帯もあり、オフサイド判定に泣いたものの最終盤には大島秀夫のシュートのこぼれ球を渡大生が詰めネットを揺らしたシーンもあった。紙一重の勝負の運を引き寄せきれなかったというべきかもしれない。
とはいえ、ゴール前での精度や、相手が1点を守ろうとするときにどう打開するかは課題として残ったまま。池元友樹も「引かれた相手に対してしっかり崩して点を取ることで自分もチームも成長していける。(群馬は)守備では5人で守るし、2トップは残っていてカウンターを狙っている。しっかりやりきらないといけない」と引き締める。群馬は両サイドの運動量が豊富で、ディフェンス時のブロックは堅牢。ボールを動かしながらほつれを探ったり、ドリブルで仕掛けたりとアイデアを出しながら、時間を掛けて崩すことになりそう。タフな試合になるのは避けられない。
対する群馬は前節、讃岐を1−0で下して8戦ぶりの白星。坂井洋平の縦パスに野崎桂太が抜けたところを倒されてPKを得て、ダニエル ロビーニョが決めている。この得点に象徴される坂井の効果的なパスとそこに抜け出すFW陣が群馬のストロングポイント。特にロビーニョはまだ1得点ながら対人プレーに強く、裏へ抜けるタイミングにも秀でる。北九州の柱谷監督が「強烈で馬力がある」と評すれば、センターバックの渡邉将基も「パワーとスピードで向かってくるタイプ」と警戒する相手。北九州は前線も絡んだ挟み込むディフェンスでロビーニョへの供給源にアプローチを強めたいところだが、群馬は讃岐戦の後半で見せたシンプルな攻撃でハードディフェンスをかわし好機につなげたい。
ここまでの成績や戦い方を見て試合を占えば、後半途中まで群馬がやや優勢でボールを保持。北九州は選手交代からリズムを出し、終盤戦で1点をめぐっての攻防が展開される可能性が高い。北九州から見れば0−0で耐えての終盤勝負だ。
もちろん勝機は十分にありそうではあるが、気がかりなのは北九州のメンタリティ。
フィジカルの「連戦疲れ」は取れているが、頭のリフレッシュがまだできていないのか、5月16日の練習は快晴の空とは裏腹に集中力に欠けていた。群馬戦を想定した紅白戦では15分程度のゲームを3本こなしたが、主力組が0−3で『群馬』に完敗。練習後、柱谷監督が選手を囲んで長く語りかけたり、話を聞くことのできたほぼ全ての選手から「引き締めなおしたい」という言葉が聞こえてくるほど厳しい内容だった。前田和哉は「言われて気づくようではだめ。大人の集まりだし、それは10代でも20代でもそう。そこができないと個人としてもチームとしても上には行けない」と話し、チームの再構築に声を枯らした。
こうした現象をホームゲーム前にプレビューとして触れるのは今季2回目。あまり書くべきことではないが、成長途上のチームを見守り応援する一つの激励譚にしたいと思う。
柱谷監督は「ピッチの中で一人一人が状況を正しく判断し、どうやればよいかを考えられるチームを作っている」と話す。それは試合の中での判断力に言及したものだが、それができる選手は必ず練習から高い集中力と高いモチベーションを発揮する。集中を欠いた練習のあとの試合。どういったゲームの入り方をするか、どういったゲームの閉じ方をするか。1点を争うシビアなゲームになれば練習でのパフォーマンスを省みた大人の修正力が効いたと言えるだろうし、選手たちの自らを高める強い意志に期待したい。
なお北九州はJ2でのホームゲーム通算100ゴールまであと2ゴール。朗らかな天候となることも予想されており、ゲーム内容に加えてメモリアルゴールにも注目して見ていただければ幸いだ。
以上
2014.05.17 Reported by 上田真之介
J’s GOALニュース
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