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【J2:第14節 山形 vs 松本】プレビュー:得点力アップを狙う山形、3連勝と勢いに乗る3位・松本を迎え撃つ!(14.05.18)

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負傷者が多いなかで突入した山形の5連戦は2勝2分け1敗と悪い数字ではない。ただし、すでに勝点差が開きつつある上位との差を埋めようとすれば、「悪くない」戦績では届かない。今季ここまで達成できていない「連勝」を実現するために、克服すべき目の前の課題は得点力だ。ここまで14得点、13失点。石崎信弘監督は「守備の意識が高すぎて点が取れないという形じゃないからね。チャンスはナンボでもあるし、あと一歩ちゃんとした形で持っていければ決定的な形まで持っていけるというところまで来ている」と話す。追いついて1-1のドローに終わった前節・千葉戦でも、縦パスのタイミングで2、3人が動き出しを開始するシーンは数多くあった。得点が少ないことへの危機感も、それを改善しようとの意識もある。勢いや思い切りのよさを高く保ったまま、いかに落ち着きと正確さを付け加えることができるか。それが今シーズンをとおしての課題となる。

得意なスタイルはハイプレッシャーと攻守の早い切り換え。敵陣でボールにプレッシャーをかけることができればいくらでも懐にボールが転がってくる戦術だが、その一方で、松本のように3バック、ロングボールのカウンター、セットプレーを得意とするチームに苦戦する傾向がある。また、運動量が落ちたり、試合が落ち着いてくる前後半の中盤以降の戦い方も課題となっている。チームキャプテン・山崎雅人は「前からプレッシャーをかけられればチャンスになるが、後手後手とか中途半端に行くとうちのサイドバックが引き出されて裏のスペースを使われるので、行くところと行かないところをはっきりしたい」と話す。ロングボールで起点をつくられ、セカンドボールを収められる展開になれば、攻撃時に高い位置を取る松本の両ウィングバックに押し込まれ、ゴールまでの距離は遠くなる。必然的に松本の武器・岩上祐三のロングスローの数も多くなるだろう。が、逆に3バックの両脇にはスペースができる。山田拓巳は「自分たちも3バックのチームに慣れてきたと思うので、受け身にならないで、相手が戻りきる前に素早く攻撃したい」と意欲を語った。187センチの飯田真輝や、ここ数試合はベンチスタート、昨シーズンは古巣から得点をもぎ取っている塩沢勝吾など、セットプレーで強烈な強さを発揮する松本の選手への局面での対応も90分間最善を尽くさなければならない。

メンバーをほぼ固定して戦った5連戦を松本は4勝1敗で駆け抜け、現在3連勝中。4位で4試合を経たのち、3位に浮上して3試合と上位に定着。さらに2位・磐田との勝点も1差まで迫っている。2点取り返したものの一時0-3と差をつけられた第10節・富山戦や、前節・横浜FC戦など内容のいい試合だけではなかったが、岩上のロングスローをはじめとするセットプレーの得点力、終盤まで落ちないスタミナというストロングが発揮され、悪いなりにもしっかりと勝点をもぎ取れるソリッドなチームに成長。アルウィンの大声援も後押しとなって初のホーム3連勝も達成した。オーガナイズされた試合運びと堅い守備は、先に失点をしないという面でも、先制した試合を8勝1分けと確実に勝利に結びつける面でも生かされている。失点数は山形と同じ13ながら、得点は23とJ2リーグ3位。3つのPKを含む9得点とゴールを量産する船山貴之を決定力の核に連勝を4に伸ばし、磐田をホームに迎える次節をさらに盛り上げたい。

そのためにも乗り越えなければならないのは、この山形戦だ。J2参入以降、山形戦は1分け3敗と勝ち星がない。昨年6月、手堅い守備を構築してNDスタに乗り込んだ第20節は1-4と大敗した。試合後の反町康治監督は「選手にはいっつも21番目だという話をしていますけれども、逆に言うとね、今日みたいなことがあって、もう1回しっかりと足元を見つめるいい機会だったかもしれません」と引き締めを図った。GK村山智彦のゴールで先制したアルウィンでの第40節も、後半アディショナルタイムに決勝ゴールを奪われ2-3で敗れているが、最終的にはプレーオフに進出した6位・長崎と同勝点の7位で昨シーズンを終えている。「自分たちのスタイルを90分間通してやれていないのは課題。俺もミスはたくさんするけど、それを次にどう生かすかが重要」(田中隼磨)という現状で対戦する難敵、ここを突破することで昇格へ一歩近づくことになる。

いつ、いかなる試合にも、ミスや失点のリスクはつきまとう。勝利をつかむには、そのリスクと向き合い、打ち克つ勇気が必要となる。勇気を持って前に進むことがなければ、得点を奪うことも、チームが成長していくこともない。言わずもがな、サッカーはミスが多い競技。山形も松本もこれまで大小数多くのミスがあり、これからもノーミスの試合はないだろう。チャレンジをした結果、ミスになることもある。そうしたプレーのあと、スタジアムはため息で包むのか、チャレンジしたことへの拍手で称讃するのか。選手の勇気を90分刺激することで、試合はさらにエキサイティングなものになる。

以上

2014.05.17 Reported by 佐藤円
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