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【J1:第14節 仙台 vs 広島】プレビュー:仙台と広島にとって、今季のJ1も、来季のACLも、この一戦につながっている(14.05.18)

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ユアテックスタジアム仙台の一角には、この場所をホームスタジアムとする仙台の歴代イレブン集合写真が飾られている場所がある。そのうち2002年と2003年の集合写真におさまっていたふたり―――渡邉晋・現仙台監督と、森保一・現広島監督が、初めて監督同士として対戦することとなった。

だがJ1第14節を前に、感傷に浸っている余裕はない。「個人的な気持ちを今は胸にしまって、まずはチームが躍動できるようにすることを考えています」とは渡邉監督。両チームとも、リーグ戦中断前の最後となるこの一戦に勝ち、今後につなげたいところだ。この一戦は、過去の歴史ばかりでなく、多くのものにつながっている。

今節にユアテックスタジアム仙台に迎えられるのは、昨季のJ1王者・広島。14日に敵地でACLラウンド16を戦ったが、残念ながら先に進むことは叶わなかった。しかし下を向いている暇はない。J1の3連覇という目標に向けて立て直すために、勝利に向けての準備を再開した。今季のJ1で結果を出すことは、来季のACL出場にもつながる。

そして迎え撃つ仙台にとっても、さらに上を目指すためには勝利が義務づけられる一戦。5月に入ってからは3戦3勝。「チームとして自信がついてきたことは実感しています」と、前節に今季初得点を決めた梁勇基は話した。しかし「まだまだ序盤戦でつまずいたぶんも勝たなければいけない、という気持ちの方が強いですね。順位が上がったといってもまだ14位だし、上も下も勝点差がほとんどない。一つひとつ、しっかり勝つことを考えたい」と続けた。

下位にいる仙台にとっては、地道に勝点を重ねて上を目指すことが当面の目標だ。そして、その先に、もっと大きな目標がある。渡邉監督はまだリーグ戦で勝てていなかった4月9日に監督となり、「ACLに出場するだけでなく、勝ち取れるクラブを目指したい」というヴィジョンを語った。現在14位のチームにとっては、それがどのくらい先のことかはわからない。だが、2012年に広島とJ1の優勝を争い、初めてACL出場権を獲得した仙台にとって、ACLを戦ったばかりの広島との対戦が持つ意味は大きい。渡邉監督は両チームのコンディションについて報道陣から質問があった際に、相手の日程に触れながら「我々も今後そこ(ACL)の場所に立たなければいけません」と言うことを忘れなかった。

この試合の見どころは多い。たとえば、4-4-2の仙台と3-6-1の広島がピッチ上でどのようにマッチアップのズレを突き合うのか、というところ。角田誠は「まずは、連勝で自信を得ている自分たちのシステムでいいプレーをすることが大事。試合の中で修正していきたい」と、小細工なしの勝負をにおわせている。図面上ではサイドで仙台が、中央では広島が数的優位に持ちこみやすいが、ポジションの流動性がからむことでその構図がどう変わるかということに注目するのも面白そうだ。森崎和幸に代表される広島の高精度パスワークを仙台のコンパクトな守備網がどうやって絡め取るか、逆に仙台の速攻が加速するポイントを、広島の守備陣がどこで見極めてカットするのか、という見どころもある。

冒頭に挙げた監督同士の話以外でも、元仙台の佐藤寿人が仙台の高い最終ラインとどう駆け引きするか、そして昨季まで仙台の集合写真におさまっていた林卓人が赤嶺真吾や武藤雄樹とゴール前でどのような攻防を繰り広げるのか、など、人間関係のからんだマッチアップも面白い。

注目点に事欠かないこの一戦は、チケットの売れ行きも好調だ。過去の歴史も、今季のJ1のゆくえも、来季のACLも、すべてが、この一戦につながっている。多くの方々が楽しめる試合を期待したい。

以上

2014.05.17 Reported by 板垣晴朗
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