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【J1:第14節 甲府 vs 柏】プレビュー:今節は甲府が『年金』を貰う。隙のない柏をホーム・山梨中銀スタジアムに迎え、甲府は各個人の“武器”を意識し活かし、引き出し合うことで決定力を高めたい。(14.05.17)

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甲府はゴールデンウィークの5連戦を1勝1分3敗で終え、積み上げた勝点は4。第10節で徳島に初勝利と勝点3を許してしまったことが悔やまれるが、悔やんでも勝点は戻って来ないので、この敗戦を活かさないといけない。しかし、川崎F戦(第11節)と神戸戦(第14節)は相手の2倍前後のシュートを打ちながらも敗れている。国民年金の受給年齢を選択制にして75歳受給開始案も検討しているという話が出てくるなど、老後は不安な話ばっかりだが、甲府の得点力に対する不安も小さくはない。シュート数という掛け金は直近の4試合で51本も払っているのに、ゴールという『年金』は戻ってこない。電気料金やガス料金のように右肩上がりでいきたいが、一日善行して翌朝起きたら、ペドロ ジュニオール(神戸、現在9ゴール)に生まれ変わるという魔法はない。選手もコーチもシーズンを通じて、信じてやり続けるだけ。

甲府と柏がヤマザキナビスコカップ第2節(4月2日)で対戦した時のリーグ戦の順位は柏が12位で甲府が13位だった。しかし、2人のレアンドロが離脱後は――非常事態なのに――4勝1敗と勝点を重ねるペースが上がっている柏は、第13節を終わった段階で4位と、来年のACL出場権を狙うどころか優勝争いをする主役のひとりになった。城福浩監督は今の柏を、「(2人のレアンドロが試合に出場していないが)トータルで見てプラスが大きく出ている」と評している。なかでも、「(外国人選手がいることで)後半少し緩んでくれていた守備が緩まなくなっていて、より隙を見せないチームになっている。工藤壮人と田中順也の良さが(特に)出ている。(チームとしても)前からのプレスに同時性があり、甲府の出し手にプレッシャーが掛かって受けに回ると、餌食になってしまう。柏の選手が目の前の選手だけマークすればいいような状態ではなく、(甲府の選手が)自分たちでポジションを変えて崩していく必要がある」という趣旨の話しをする。レアンドロ ドミンゲスの爆発的な怖さはないが、今の柏は11人がつくる質の高さで対戦相手を凌駕しているのだ。

2013年は柏が孤軍奮闘してくれたが、2014年のACLは、残念ながら決勝トーナメントに進んだJリーグの代表3クラブ全てがラウンド16で敗れ去った。昨年、甲府は柏が二正面作戦で戦っている時にホーム・山梨中銀スタジアムで3−1(第6節)で勝利している。しかし、この勝利を除けば――05年の入れ替え戦の記憶は遠く――甲府は柏に大苦戦している。ただ、城福浩監督になってからは1勝1分1敗なので、過去の対戦成績は気にしないようにしたいが、今の柏は首位の鳥栖と並んでゴールデンウィークの連戦を上手く乗り切ったチームだけに隙は少ないし、隙を与えれば見逃してくれないだろう。2人のレアンドロの不在だけでなく、多い時で1チーム作れそうな数のケガ人がいたが、そのことで下部組織出身の小林祐介ら若い選手にチャンスが来て、結果を出している。育成の長年の取り組みの成果が分かりやすい形でひとつの答えを出した。また、茨田陽生(ボランチ)、太田徹郎(シャドー)、工藤(フォワード)と同時期にU-18で過ごしてきた選手たちは連携も取りやすい。ポゼッションの感覚は同じなのだろう。

対する甲府は、試合内容は悪くはないけれど、勝点が積み上がらない。決定力不足を補うためにシュート数は増やしたいけれど、それだけでは解決し難い部分がある。甲府にはスーパーなオールラウンダータイプの選手はいないけれど、チームとしてのトライをやりながら各人が自分の――城福監督の言葉を借りると――”武器”が何なのか考え、それを研ぎ澄まし、周囲はそれを引き出す。あれもこれもとやろうとするのではなく、最も効果的な”武器”を意識した戦いができるかどうか。この意識で決定力の部分がどう改善されるのか注目したい。甲府の選手はシュートが掛け捨てではないことを証明してくれる。

以上

2014.05.16 Reported by 松尾潤
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