最後まで均衡し、最後まで締まった好ゲームだった。ホームの磐田、アウェイの大分ともに多くの決定機を作れなかっただけに、2つのゴールが試合のハイライトとなった。
磐田の先制点は35分。松井大輔のロングパスを敵陣左サイドでトラップしたのは山田大記。マッチアップした阪田章裕の股下を通す絶妙なクロスを、ファーサイドの前田遼一が右足で押し込んだ。「中にあまり味方がいなくてどうしようかと思ったけど、前田さんが走り込んでくれた。届くギリギリのところだったけど、上手く決めてくれた」(山田)。得点シーン以外にも敵陣でパスがテンポよくつながる場面もあり、大分の脅威となった。
ただし、後半は大分ペース。立ち上がりにゲームを振り出しに戻した。55分、敵陣左サイドからのFKを伊藤大介がキック。これをニアサイドで安川 有が頭で押し込んだ。殊勲の左サイドバックは「(ニアサイドの動き出しは)スカウティングとしてあったし、そこに入っていければという部分はあった」と得点シーンを振り返る。磐田のセットプレーはゾーンとマーキングのミックス。マーカーのフェルジナンドを振りきり、ニアサイドへダッシュ。「(前田遼一の)前でタッチして、ゴールできなくてもすらせればと思っていた」(安川)。いわゆる“ストーン”役の前田遼一の前に入り込み、ヘディングで上手く流し込んだ。
勝点1を分け合う結果となったが、よりよい感触を得たのは大分である。田坂和昭監督はハーフタイムの指示をこう語る。「前半は焦りが見えたので『もう少し相手を見てプレーしなさい』と。あとは『ポジションを少し崩してでも相手を動かそう』と。そういった話をして後半の立ち上がりから仕掛け、流れを掴めた。選手たちはよく理解して動いてくれた」。シュート数は磐田の8本を上回る10本。勝ちきることはできなかったが、より勝利に近かったのは大分だった。
一方、磐田・シャムスカ監督は「セットプレーはどういった状況でも危険になる」と後半のセットプレーの数の多さを悔やんだ。また、大分との古巣対決という点では「大分の思い出が“走馬燈”のように浮かんだ」と語っている。無論、試合中は“敵”と“味方”だが、試合後は気心の知れたかつてのファミリーである。取材ゾーンでは高松大樹、さらにかつて大分でプレーした藤田義明と共に語り合っていた。
また、『2014FIFAワールドカップブラジル大会』に臨む日本代表メンバーの候補である磐田の3選手は、勝ちきれなかっただけにいずれも表情は硬かった。1ゴールの前田遼一は報道陣の問いかけに答えず、無言で取材ゾーンを通過。その後、広報を通じてこうコメントしている。「今日の試合でゴールできたことはよかったですが、勝利できず残念です。次の試合も得点を取れるように頑張ります。日本代表へは特別な思いはありませんが、入りたいという気持ちは常に持っています」。最後に、ワールドカップのメンバー入りについては、「入らないのでは(苦笑)」と付け加えた。「なるようにしかならないので。どういった結果になっても悔いはない」と心境を語ったのは伊野波雅彦。駒野友一も「メンバー入りは(ザッケローニ)監督が決めることなので、待つしかない」と淡々と語り、会場を後にした。
運命のメンバー発表は本日14時。果たして――。
以上
2014.05.12 Reported by 南間健治
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