0−0で迎えた、勝負をかけた残り15分間。北九州がFW渡大生の2得点で勝ち切って3連勝を飾った。富山は前節に続いて終盤に失点。4連戦の最後のゲームは両チームの好不調を色濃く反映する結果となった。
連戦の疲労などを考慮し、前節の先発から富山は3人、北九州は4人を入れ替えて臨んだ。前半は互いに様子をみながらの展開でシュートまで持ち込むシーンは少なかった。富山は失点が多いため、少なくとも前半は無失点で終えたかった。北九州はFW原一樹ら主力数人をベンチでスタンバイさせて後半にスパートをかける狙いがあった。静かな立ち上がりは両者の思惑が合致した必然のものだった。
その中でもゴールへ向かう意識は富山のほうが強く、ボール奪取からの素早い攻めで何度かチャンスをつくった。全員がFW苔口卓也ら前線の動きを見ながらプレーし、最終ラインからも好フィードがあった。トップ下の白崎凌兵から苔口や中島翔哉に配球してチャンスをつくる場面があり、連係もスムーズ。後半に期待をもたせる出来だった。
後半に入って、富山が先に攻勢に出た。開始直後に右サイドのMFソ・ヨンドクからのスルーパスで白崎がGKと1対1になりかけてスタジアムが沸いた。同10分には中島、白崎を経由してパスを受けたDF田中寛己がペナルティーエリアに進入するがラストパスが合わない。同16分にも中島が左サイドからゴール前に持ち込み、最後は田中が決定機を迎えたがシュートはGK正面を突いた。
北九州は満を持して同10分に原、同20分にMF井上翔太を投入して勝負をかけた。残り15分を切って均衡を破ったのは7試合ぶりの先発出場だった20歳の渡。自陣右サイドのスローインからの流れで、MF小手川宏基が富山の中盤とDFラインの間にできたスペースをドリブルで中央へ進出してラストパス。渡はマッチアップした相手DFをまたぎフェイントから一気に交わして右足を振り抜き、今季初ゴールを決めた。
直後には右CKから再び渡のゴールで加点。ショートコーナーからパスをつないでゴールライン際から攻め、こぼれ球を井上がセンタリングして渡が合わせた。
この試合で得た最初で最後のCKだった。相手を研究した作戦が一発ですばりと当たるところに勢いが感じられる。渡は左サイドで先発し、後半途中から池元友樹に代わってFWに入っていた。「渡は不慣れなポジションで頑張り、本来のFWに戻って活き活きとプレーした」と柱谷幸一監督。起用に応えた若武者の活躍に笑みを浮かべていた。
北九州のDF前田和哉は「ミスが多く出来は悪かった。それでも我慢できるようになったのは成長。そうすれば後半に点を取ってくれる」と話した。攻守のかみ合った好調ぶりがコメントからも伝わってくる。
対照的に富山は、チャンスで得点できず、守りも耐え切れないという開幕以来の悪い流れを今回も断ち切れなかった。前々節で今季初勝利を挙げたが、本調子にはまだ遠い。連戦の疲れを癒したうえで、仕切り直す必要があるだろう。
以上
2014.05.07 Reported by 赤壁逸朗
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