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【J2:第12節 湘南 vs 栃木】レポート:前半の好機を確実に捉えた湘南が開幕12連勝。栃木は一度は追いつくも及ばず(14.05.07)

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スタジアムを彩ったベルマーレカラーに背を押されるように湘南の幸先はいい。8分、自陣でセットプレーの機会を得ると、三竿雄斗がゴール前に送り込み、大槻周平が競った先で藤田征也が今季初ゴールを仕留めた。弛まずサイドを駆け上がり、クロスやラストパスをやり切る仕事人は、しかし「ゴールやアシストなど数字に表れる結果が欲しい」と静かに闘志を秘めていた。相手の隙を逃さなかった一撃で、チーム得点者リストの12人目に名を連ねる。ゴールへの意欲たくましい湘南にまた1人、得点者が増えた。

ただ、対する栃木も、先制こそ許したものの球際厳しく圧力をかけ、湘南が日々研いでいるゴールへのパスワークを寸断し、攻撃へと転じていく。「立ち上がりはすこし相手をリスペクトし過ぎて腰の引けるようなプレーがあった。そういうなかで1失点してしまったが、それでちょっと目が覚めた」栃木の阪倉裕二監督は振り返っている。

同点の場面は栃木の自陣でのボール奪取が契機だった。中盤で小野寺達也が縦に出し、応えた瀬沼優司がドリブルで中に切れ込む。瀬沼のパスにダイレクトで放った近藤祐介のミドルは鮮やかで、描いた軌道それ自体が鋭利な刃物のよう。曰く、「シュートは狙っていた。きれいに行くとは思っていませんでしたが、しっかりうまく飛んでくれてよかった」。

追いついた栃木は、その後もセカンドボールで優位に立つなど自分たちの時間帯をつくる。かたや湘南も、前線からの守備はいつものごとく、転じれば相手が築くタイトな守備の打開に出る。そうして次の1点は、ホームチームに刻まれた。43分、ペナルティーエリアの角付近で得たフリーキックを、永木亮太がこちらも鮮やかに沈めた。

曹貴裁監督は語っている。「相手陣内、ペナルティーエリア付近で何か危険なプレーを起こしていくことが我々のスタイルなので」。相手にとって危険なエリアへパスを送り、仕掛け、チームで掴んだセットプレーをキャプテンがゴールに結んだ。

永木は言う。「(藤田)征也くんもマル(丸山)も三竿もほんとうにいいボールを蹴りますし、セットプレーをモノにできていることはこの連勝の大きな要因の1つだと思う」。併せて、相手のセットプレーを無失点に抑えている厳しさも見逃せない。この試合に限らず、ゲームの要所を確実に捉えているところに深化の一端を垣間見る。と同時に、「なんとなくもらったセットプレーは入らないと僕は思っている。そのまえにどんな攻撃をしてコーナーキックやフリーキックを取ったかということが大事」という指揮官の言葉を引けば、セットプレーの得点力は、自分たちのスタイルをもってこそ至っている証左と言えるだろう。

ところで今節のゲームに臨むにあたり、曹監督は17日間で6ゲームを戦ったドルトムントの話を選手たちに語ったという。趣旨はこうだ。ヨーロッパの最先端のリーグではただ疲労があるからメンバーを代えるという考え方はそもそも存在しない。彼らに倣わなければ日本のサッカー界も強くなっていかない。ドルトムントの選手の平均年齢は約27歳、自分たちは23歳台、4歳下回っている我々がそれもできなければ何の未来もない。今日は走力で絶対に上回れ――

果たして、迎えた後半は、スコアこそ動かなかったものの湘南の掌中にあった。終盤にはGK秋元陽太のビッグセーブもあり、2−1という状況の僅差をあらためて思ったものだが、ピッチ上の彼らに引きこもる選択肢などなく、決定機を幾度もつくり、最後まで次の1点を求めて攻め立てた。そうして掴んだコーナーキックの先で遠藤航がシュートを狙い、スタジアムを沸かせたところで長い笛が響いた。

「球際の厳しさなど、積み重ねやサッカーのベースに差があったのではないか。選手も心に何か思ったことがあると思うので、それを大事にして次の試合に備えていきたい」。阪倉監督が語った言葉は、湘南のこれまでとこれからにも変わらずに通じている。結果だけに捉われず、自分たちに矢印を向けていく。「目の前の相手に勝ちに行くことが僕たち。次に向けてまたしっかり準備したい」たとえば大槻がそう語ったとおり、すぐに控える次の一戦に向かう。

以上

2014.05.07 Reported by 隈元大吾
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