ポゼッション志向のチームが堅守速攻のチームにやられる典型的なパターンだった。
前半は帰陣が早く、守備ブロックを築く松本に対し、大分はボールを丁寧に動かしながら攻撃するも、ここぞという場面で迫力に欠いた。攻撃の形は決して悪くない。「自分たちでボールを動かし、シュートまでいけた」(末吉隼也)、「全体的に悪くはなかった」(高木和道)と、攻守の柱となる選手が語るように、攻撃ではセカンドボールを拾って、空いたスペースを起点にゴールに迫った。守備ではラインを高く設定し、相手のロングボールに対しファーストボールへのアタックで競り勝った。
後半はさらにゴールへの意識を高く持ち、松本怜、為田大貴のサイドアタッカーがドリブル突破を図り、シュートを放つ。「今日の試合は勝てない試合ではなかったが、点が取れなかった」と振り返る田坂和昭監督の言葉が全てだった。「最後の得点をどうとるか特化しなければいけない」と強気な姿勢を見せるが、ボールを回せても得点につながらない――そんなジレンマを抱えている。その結果、終盤に警戒していたリスタートから失点を許し、今季初の1万人を越えた観客に勝利をプレゼントすることができなかった。
松本から見れば、狙い通りの試合運びと得点で快勝となった。キックオフ直後、大分の攻撃に備えて陣形を整えた松本の最終ラインに、DFが5枚並んだ。ボランチには守備的な岩間雄大とユン ソンヨルを置き、7人を守備に割いた。「同じ気温でも松本と九州では違う。高温多湿の試合、しかも4連戦の最後が移動距離の長いアウェイ。ここで負けたとしても、選手を責める状況ではなかった。それくらい我々にとって厳しい連戦だった」(反町康治監督)。
松本の割り切り方は、特に攻撃面で顕著だった。岩上祐三のロングスローと、サビア、船山貴之のカウンターに託す。指揮官は、セカンドボールを拾い、2次、3次攻撃を期待していたようだが、流れのなかで相手の4バックは攻略できなかった。
ただし、選手たちは「今日の試合は自分たちでコントロールできた。自分たちのサッカーをすれば絶対に勝てるという自信になった」(田中隼磨)と、相手にボールを持たれているのではなく、ボールを持たせていた。焦れずに陣形を維持し、ストロングポイントであるセットプレーとロングボールで活路を見出す。「最後の15分で勝負が決まる」と反町監督の予想通り、82分にCKの流れから船山が先制ゴールを挙げ、その3分後にはスローインから喜山康平が追加点を奪った。指揮官は「厳しい連戦で勝点9を取れたのは、今後を占う上でも良かったし、継続してスケールアップしたい」と語り、確かな手応えを得ていた。
以上
2014.05.07 Reported by 柚野真也
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