新潟が2-1で清水を振り切った。1-1の後半アディショナルタイム、川又堅碁のクロスがオウンゴールを呼び込み、これが決勝点になった。清水は土壇場で追い付きながら、不運に見舞われた。
笑いにも似た歓声が、今季最多の3万5533人が詰めかけたビッグスワンを包んだ。その中で、新潟の選手たちは笑顔で抱き合った。その傍らには力尽きたように倒れ込む清水のメンバーの姿があった。
この日最大の盛り上がりを見せたのは、試合終了直前だった。後半のアディショナルタイムが4分を経過したとき、カウンターから川又が左サイドを駆け上がった。中央に走り込んだ成岡翔を視界に捉えながら、クロスを入れる。それを清水・カルフィン ヨン ア ピンが自陣を向いた形でヘディングでクリア。高く上がったボールはそのままマウスに吸い込まれた。
その3分前、新潟は清水に追い付かれていた。後半10分に田中亜土夢が挙げた先制点を守り切れず、3試合連続の引き分けが濃厚か、と思われた。その流れでの決勝点。クロスを入れた川又は「ラッキーだったけど、誰もあきらめないで戦っていたから取れた。みんなの気持ちが乗ったから入った」。追い付かれても、前へ運ぶ姿勢を貫いた結果を強調した。
ここ数試合、新潟は相手がなかなかボールを奪いに来ない状態の試合が続いていた。この試合の相手の清水は、序盤からプレスをかけてきた。自然と球際で激しく奪い合う展開に。これこそが、自分たちがベースにしているスタイルだった。
試合前のウオーミングアップ場。選手だけで円陣を組んで話し合った。普段はトゥッコ・フィジカルコーチが檄を飛ばす場だが、この日はキャプテンの大井健太郎が引き取り、メンバーに向かって話した。「球際を厳しく、そして1人1人が気持ちを出して行こう」。それを実践した。大観衆に新潟のサッカーを披露し、3試合ぶりの白星を挙げた。
ホームでは第4節・鳥栖戦以来の勝利で、これで10試合負けなし。新潟の柳下正明監督は「1-1のままでも、いい試合だと思っていた。攻守にアグレッシブに戦ったことで、最後はああいう形になった」と、選手たちの闘志を称えた。「全員が絶対に勝つ、という気持ちであきらめずに戦った。この勝利は大きい」。大井が言うように、新潟にとっては勢いもたらす1勝になった。
清水は最後の最後に勝点を手放した。アフシン ゴドビ監督は「決勝点は映画に出てくるようなものかもしれない」と淡々と話した。同時に「選手たちのパフォーマンス、取り組む姿勢を誇りに思う」と、アディショナルタイムに追い付いた選手たちのメンタルを評価した。
後半アディショナルタイム、右サイドでヨン ア ピンがヘッドで折り返すと、ゴール前に詰めていた平岡康裕が押し込んで追い付いた。それまでも中盤で激しく奪い合い、サイドから素早く展開するなど、自分たちの形に持ち込んだ。今季初出場の1トップの鍋田亜人夢を起点にチャンスを作った。後半に先制点を奪われてからも、落ち着いてボールを動かした。
ただ、チャンスで最後のパス、シュートの精度を欠いたことが響いた。接戦を繰り広げながらも、連なった黒星はこれで3つになった。
貴重な勝点3をものにした新潟は、これを無駄にしないためにも今季初の連勝が必要になる。清水は好内容ながら結果が欲しい。ともに次節が今後に向けて意味を持つ。
以上
2014.05.07 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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