タイトな日程で続いたゴールデンウィークの4連戦、熊本は長崎、水戸、岡山、札幌を相手に4引き分けと、勝利こそ挙げることはできなかったものの無敗で乗り切り、勝点4を加えた。今週末はいよいよ、開幕から12連勝というJリーグ記録で首位を走る湘南を迎えるが、この4連戦で見せた粘り強さ、そして徐々に上向いてきた攻撃面をぶつけ、連勝を止めることができるかが注目される。
さて、チームがこうしてピッチでの奮闘を見せる中、先日発表された通り、クラブライセンス取得に向けた債務超過解消のための増資と合わせ、「ロアッソ熊本存続支援募金」と銘打った募金活動がスタート。4月末の時点で早速180万円を超える額が寄せられており、また金融機関を使った振込にも対応できる仕組みが整った旨、クラブからリリースされている。さらに3日の11節岡山戦の試合前には、サポーター有志でこの募金活動を後押ししようと立ち上げた「ロアッソ熊本を救う実行委員会」の呼びかけで、「ペットボトル募金箱製作大作戦」が実施された。
これは、空になった2リットルのペットボトルを集めて、募金を呼びかけるチラシ等を貼り付けるなど、洗浄や加工から設置場所の募集と管理まで、サポーターが自分たちで手と足を動かし、少しでも力になろうという思いを表したもの。この日は目標である400本に対して約300本のボトルが集まり、1つ1つに穴をあけて切り口を保護する作業等を行い、同時に設置場所を募った。
クラブが設定している募金の目標額は3,000万円となっているが、今回の取り組みは、多くの額を集めること以上に、「いろんな人の目に触れる機会を増やす」のが大きな目的だ。この日、ボトル集めに取り組んだサポーターの男性はこう話す。
「クラブからの発表があって、県外在住の熊本県出身の方や他チームのサポーターからも多くの問合せや支援をいただいています。そうした中で、地元に住んでいる熊本のサポーターが何もしないわけにはいかない。ロアッソ熊本というチームには県民の応援が必要だと示すこともありますが、商店さんや事業所など、県内のいろんな場所にこの募金箱を置かせていただくことで、今まで興味を持っていなかった県内の方にもチームの実情を知ってもらえると思いますし、これを乗り切れば、例えば“あの時に入れた100円がチームの支えになったのかもしれないな”と、親近感を持ってもらうことにもつながると思います」
募金という手法そのものについては賛否あろうし、地域の公共財的な側面もあるとは言え、プロサッカークラブを運営する「一企業」であることを考えれば、健全な経営を進めていかなければならないのは当然のこと(これに関してはクラブ自体もコスト削減と増収に取り組み収支状況も改善してきた)。それでも、自分のこととして捉え知恵を絞って身体を動かすサポーターと、それに賛同して力を貸してくれる仲間が全国にいて、募金箱を設置してくれる場所は少しずつ増え、多くの人たちに支えられていることを改めて感じさせられている。
クラブとしてはこうした思いに応えるべく、少しずつでも還元していかなくてはならない。
以上
2014.05.07 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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岡山戦で寄せられたペットボトル。1つ1つ手作業で穴をあけ、ラベルを貼った。
設置する場所は400ヶ所が目標。随時、<a href="http://kumamoto12.net" target="_blank">ホームページ</a>や<a href="https://www.facebook.com/roassotasukeru">フェイスブックページ</a>で状況が報告されている。
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